【7月10日 AFP】北海道洞爺湖サミット(G8 Hokkaido Toyako Summit)最終日の9日、米国、中国、インドなど16か国が参加して温室効果ガスの主要排出国による首脳会合が開かれた。会合では、参加国は地球温暖化防止に向け協力して取り組んでいくことで合意したものの、対立する各国間の溝を埋めることはできなかった。

 新興国側は、主要8か国(G8)首脳が前日に呼びかけた、2050年までに温室効果ガス排出を少なくとも半減させるとした地球温暖化対策の長期目標について、不十分すぎるとして反発した。

 G8と新興国側の対立は、京都議定書(Kyoto Protocol)後の国際的な温暖化防止の枠組みを決めるため2009年12月にデンマークのコペンハーゲン(Copenhagen)で開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議に向けた議論にも影響を与えている。

 会合後に発表された共同声明では、温室効果ガス削減に向けては先進国と新興国で一致したが、数値目標は盛り込まれなかった。また、日本が求めていた、先進国側が中期的目標を実行する代わりに新興国が排出削減の長期目標を受け入れるということも盛り込まれなかった。

 ブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカの5か国首脳は、気候変動については先進国に「歴史的責任」があると指摘し、まず先進国が積極的に温室効果ガス排出削減に取り組んでいくことを主張した。

 南アフリカのマルティナス・ファンスカルクビック(Marthinus Van Schalkwyk)環境・観光相は「米国が考えを改めるまでは、南アフリカなど5か国が取り組みを進めていくことはきわめて難しいだろう」と語った。

 新興国側は、先進国に対し、2020年までに1990年の水準から25-40%の排出削減を求めている。一方の先進国側は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領の意向に沿って、京都議定書で定められた排出削減の期限である2012年以降は、G8各国は独自の中期目標を設定するとのみ表明している。(c)AFP