【6月24日 AFP】全米市長会(US Conference of Mayors)は23日、フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)で開いた会議で、自治体ごとにボトル入り飲料水の使用を段階的に削減し、水道水の重要性を促進する決議を採択した。

 近年、米国ではプラスチックの使用や輸送エネルギーコストなどの観点から、ボトル入り飲料水は環境に悪影響を与えるとの考え方が広まっている。

 決議はギャビン・ニューソム(Gavin Newsom)サンフランシスコ(San Francisco)市長を筆頭とする18都市の市長が、こうした世論を背景に、ボトル入り飲料水に投入している税金をほかの行政サービスに還元しようと提唱したものだ。

 ニューソム市長は「各自治体は民間会社が販売する、使い捨て容器に入った水に税金を投入することで、水道水の質がボトル入りウオーターに劣るかのような間違ったメッセージを市民に発信している」と訴えた。  ペットボトル使用に反対するキャンペーン「Think Outside the Bottle(ボトルの外側を考えよう)」を展開している、企業の社会的責任を追及するNGO「Corporate Accountability InternationalCAI)」は、「ボトル入り飲料水よりも水道水を選ぶことが、環境・経済の両面において最良の選択であることを示す強力なメッセージだ」として決議を歓迎。CAIによると、現在、全米の60を超える都市で、すでにボトル入りウオーターの購入を中止したという。

 一方、米飲料業協会(American Beverage Associations)は、決議は「偽善に汚れた不適切なもの」との声明を発表した。

 声明では、飲料業界が継続的に洪水、山火事、ハリケーンなどの自然災害や、自治体の水道システムが故障した場合などにボトル入り飲料水を提供し、貢献してきたことを強調。多くの市長が非常用としてボトル入り飲料水を歓迎していると訴えた。(c)AFP