【6月24日 AFP】国際捕鯨委員会(International Whaling CommissionIWC)の総会が23日、チリのサンティアゴ(Santiago)で開幕した。日本などが求めている商業捕鯨の再開をめぐって対立が続き、IWC存続の危機感が高まっている。

 IWC内では、22年前に商業捕鯨の一時停止が決まって以来、日本などの捕鯨国とオーストラリアを始めとする反捕鯨国とが対立している。日本は、IWCが商業捕鯨を認めない場合は脱退する可能性もあると、繰り返し示唆している。

 23日に行われた1日目の協議では、参加国は捕鯨に関連する決議ではなく、IWCの今後に関する提案の協議に集中した。

 国際動物福祉基金(International Fund for Animal WelfareIFAW)やグリーンピース(Greenpeace)などの環境団体は、IWC総会に先立ち、日本は非科学的な調査目的の捕鯨を同国周辺海域で実施することを望んでいるとして警告を発した。

 また、開幕前日には、サンティアゴ市内の公園に集まった約2000人が巨大なクジラを形作り、商業捕鯨の一時停止維持を訴えた。

 日本は商業捕鯨の再開を強く求めていくものとみられているが、日本の代表団の1人、水産庁の森下丈二(Joji Morishita)氏は、日本は、国際的なコントロールの下で、豊富な種のクジラに対する捕鯨再開を求めていると語った。(c)AFP/Paulina Abramovich