【4月23日 AFP】北朝鮮が国境付近に2002年から建設中の大型のダム、黄江ダム(Hwanggang Dam)をほぼ完成し、韓国国内で水不足の懸念が高まりつつある。22日、韓国政府高官が語った。

 黄江ダムは、韓国の首都ソウル(Seoul)北方50キロの漣川(Yeoncheon)を横切る軍事境界線から北方40キロの位置、両国をまたがって流れる臨津江(Imjin River)の上流に建設されている。

 韓国統一省の話では、北朝鮮によるダム建設工事は現時点で95%完了。同省報道官によると8月か9月には完成すると見られ、完成後は西部の国境地帯で甚大な水不足の発生や洪水の危険性が懸念される。政府のデータでは、年間1億2000万トンの水不足が予測されるという。

 報道によれば黄江ダムと既存のより小規模な4つのダムで、北朝鮮は臨津江の水を約20%、自国側で管理することになる。

 韓国統一省報道官は「北朝鮮は、農業用水と飲料水確保のためにダムが必要だとの主張を繰り返すばかりで、対話を通じた解決を何度も要請したにもかかわらずこれを無視した」と憤りをあらわにしている。(c)AFP