【AFP】中国で3番目に大きい淡水湖、太湖(Taihu)で、一度は減少していた水質汚染による有害な藻が再び異常発生しており、周辺住民数百万人分の飲料水供給への影響が懸念される。国営人民日報(People's Daily)が14日、伝えた。
 
 同国東部江蘇(Jiangsu)省にある太湖では前年5月、藻が異常発生し、当局は230万人が住む近隣の都市、無錫(Wuxi)市への上水供給の一時遮断を余儀なくされた。数日間におよぶ断水のきっかけとなったのは「水道から汚水が出てくる」という住民たちからの苦情で、人々は飲み水を蓄えようとパニックになった。

 太湖は中国で古来より、豊かな水をたたえる最高の名勝地として知られてきたが近年、家庭排水や工業・農業排水の流入などで著しく汚染されている。

 前年の危機は中国全土における河川環境悪化を示す象徴となり、温家宝(Wen Jiabao)首相は太湖の徹底的な浄化を正式に要請した。

 太湖流域管理局では、汚染に春から夏への気温上昇が加われば、藻の異常発生を招く条件はそろい、以後数か月以内に前年同様の事態が再発しうると懸念している。

  同管理局のLin Zexin副局長は太湖の浄化について、「短期的な取り組みでは無理。時間のかかる戦いとなるだろう」と述べた。(c)AFP