【2月26日 AFP】南アフリカ政府は25日、急増するゾウの頭数制限のために、13年ぶりにゾウの間引きを再開すると発表した。

 ゾウの頭数制限に関する政府の計画に関しては、同国内で数か月にわたって議論が巻き起こっていたが、マルティナス・ファンスカルクビック(Marthinus Van Schalkwyk)環境・観光相は、各自然保護区に対し3月1日から、最後の手段としてのみ、間引きを実施しても構わないと発表した。

 同環境・観光相は、「当局は、頭数管理の手段として間引きを維持する必要性を認める一方で、間引きが、厳しい制約下でのみ許される最後の手段として行われることを保証するためにいくつかの対策を講じた」と語った。環境当局の報道官は、処分対象のゾウの頭数については今のところ不明だとしている。

 また、ファンスカルクビック環境・観光相は同時に、5月1日から野生のゾウをサーカスなどの商業展示の目的で捕獲することを禁止すると発表した。

 国内外の圧力を受けて、1995年に南アフリカ政府がゾウの間引きの一時停止を決定して以来、ゾウの頭数は約8000頭から18000頭に増加し、多くの自然保護区が維持できないほどの状態になっていた。
 
 間引きに反対する国際動物福祉基金(IFAW)は、間引きが本当に最後の手段として実施されることを保証するために、非常に厳格な法制度を整備しなければいけないとしている。

 IFAW関係者によると、アフリカ南部の地域には約30万頭のゾウが生息しているとされ、各国は頭数抑制に頭を悩ませているという。(c)AFP/Fran Blandy