2005年9月20日、米海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration、NOAA)が発表したハリケーン「リタ(Rita)」の衛星画像。(c)AFP/NOAA
【2月1日 AFP】海水温度の上昇により1990年代半ば以降のハリケーン発生件数が40%増加したとする研究結果が、31日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。
海水温度がハリケーンの増加に与える影響が正確に計算されたのは初めて。地球温暖化の影響を研究する科学者にとって大きな貢献となると、研究の著者らは述べている。
ハリケーンの主な発生要因としては、エネルギー源としての熱と水蒸気と、縦方向の乱気流がある。熱と水蒸気は海水温度が少なくとも27度に達しないと発生しない。これらの要因が、暴風雨がハリケーンに発達するかどうかを決定付ける。
前世紀終わりのハリケーン発生件数の急増は海水温度の上昇に明らかに関連しているとする研究者もいれば、人間が気候システムに影響を与えているとするのは間違い、あるいは時期尚早だとみる研究者もいる。
英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London、UCL)Benfield UCL Hazard Research Centreの研究者、マーク・サンダース(Mark Saunders)、アダム・リー(Adam Lea)両氏は、1965年から2005年までに米国で発生したハリケーンの気象データを分析し、ここ50年間の平均値と比較した。
その結果、50年間では年平均6件のハリケーンが発生し、うち約3件が強力なハリケーンだった。一方、1996年から2005年の10年間では年平均8件のハリケーンが発生、うち強力なものは4件だった。米国に上陸するハリケーンの件数も、3年に1件の割合で増加していることが分かった。
計算によると、海水温度が0.5度上昇することで、ハリケーンの発生件数が40%増えるという。
サンダース氏はAFPに対し、地球温暖化がハリケーンの増加に影響をもたらしているかどうかについてコンピューターモデリングで分析を行っている研究者にとって、今回の発見は大いに役立つと語った。一方で、国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(Panel on Climate Change、IPCC)による2100年の温度上昇予測が現実になったとしても、ハリケーン発生件数が3倍にも4倍にもなると推定するのは危険だとしている。
「縦方向の乱気流は現状と変わらないと推定されているが、いくつかのモデリングでは大きくなることが示唆されている。これは縦方向の乱気流が温度上昇による影響を相殺するほど圧倒的な影響力を持つことを意味する」と説明。さらに、「現在の温度がハリケーン発生に適したものなのかもしれない」として、今後の温度の急上昇が1990年代半ば以降と同様にハリケーンのエネルギー源を大量に発生させるかどうかも明らかになっていないと指摘している。
IPCCは2007年、今世紀には熱帯低気圧はより頻繁に発生する可能性があるとの見通しを発表。1996年から2005年の10年は、米国史上最悪のハリケーン「カトリーナ(Katrina)」でピークを迎えた。
しかし、2006年には発生件数は減少し、2007年は非常に少なかった。さらに、前年は熱帯大西洋の海水温度は平年をやや下回っている。(c)AFP






