【1月19日 AFP】英紙ガーディアン(Guardian)は19日、南極海で日本の調査捕鯨船に対し反捕鯨運動を行っている米環境保護団体「シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation Society)」のメンバーで、捕鯨を中止するよう求める書面を日本側に手渡すため第2勇新丸(Yushin Maru No 2)に乗り込んで身柄を拘束された英国人のジャイルズ・レーン(Giles Lane)氏(35)とのインタビューを掲載した。

 レーン氏は、オーストラリア人のベンジャミン・ポッツ(Benjamin Potts)氏(28)とともに2日間身柄を拘束されていた。レーン氏は同紙に対し「第2勇新丸の船長は考えを変えて、われわれをマストにくくりつけた」「日本の調査団は何をやっているのかわからないようだ」などと語った。

■「船員はパニックに」

「われわれは、船から放り出されるか、拘束されるか、あるいは追い出されるかと考えていた。だが船に乗り込むとすぐに、船乗り特有のほどけにくい縛り方で柵にくくりつけられた」

「シー・シェパードの活動家が第2勇新丸に『悪臭弾』を投げ込むと、船員はパニックに陥った。われわれは30分もデッキ上で縛られたまま放置された。その後、船長が意図的に船を大きく傾け、われわれをずぶぬれにした。膝の上まで水が来た」

「船の上部にわれわれを連れて行くと、船長は少し考えを変えた。しばらくわれわれをマストに縛りつけておくよう大声で指示した。それから、キャビンに閉じ込められ、入り口には見張りが立っていた」

■好待遇はプロパガンダ?

「好待遇を受けた。手首にあざができただけだった」

「一緒に食事するか尋ねられたが、それを利用してわれわれを言いくるめるのではないかと懸念し、誘いを断った。彼らはわれわれと一緒の写真を撮りたがった。おそらく良い印象を与えるためだろう。マストに人をくくりつけるのは見栄えがよくないと、よく分かっていたようだ」

 2人はキャビンにとどまり、米や麺類を食べたという。

「彼らは何をしているのか分かっていないようだった。われわれが受けた扱いは、クジラが受けている苦しみと比べればたいしたことはない。われわれは多少乱暴な扱いも受けたが、少なくとも銛を打ち込まれたり、感電死させられたり、切断されたりはしなかった」

 同氏によると、シー・シェパードは2人が解放された1時間後に第2勇新丸に対し「悪臭弾」で攻撃。第2勇新丸は回避したという。

「彼らはわずか10マイル(約16キロ)先にいる。われわれは必ず彼らを見つけ出す」と言明した。(c)AFP