【12月16日 AFP】インドネシアのバリ(Bali)島で開かれていた国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第13回締約国会議(COP13)で15日に採択された、地球温暖化対策のための行程表「バリ・ロードマップ(Bali Roadmap)」の骨子。

・序文では、気候システムの温暖化を明白に示す科学的証拠、および温暖化ガス排出削減の遅れが気候変動の影響を悪化させる危険性を高めることを示す科学的証拠の「緊急性」を強調。

・行程表では、先進国の中で唯一京都議定書(Kyoto Protocol)から離脱した米国を含む各国の長期的排出削減目標のための交渉の枠組みを設定する。

・京都議定書が期限切れとなる2012年末から新たな枠組みが発効するよう批准を済ませるため、2009年末のデンマーク・コペンハーゲン(Copenhagen)会議での合意を目指す。2008年には4回の作業部会を予定。

・明確な数値目標は明記されておらず、削減すべき国や削減量も指定されていない。しかし序文の脚注では「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate ChangeIPCC)」の報告書に言及。報告書では排出量について地球全体では2050年までに2000年の半分に、先進国に対しては2020年までに25-40%削減することを求めている。

・途上国は、技術面、経済面や能力開発面での支援を受け、「測定、報告、検証可能な」方法で削減に取り組むことが求められている。

・現在温暖化ガス排出のおよそ20%の原因とされる森林破壊や森林劣化に歯止めをかけるための経済的支援を行う。

今回の会議でのその他の合意事項
・途上国の気候変動への取り組みを援助するため京都議定書で定められた「適応基金」を管理・運営する仕組みについて。京都議定書で示された「クリーン開発メカニズム(Clean Development MechanismCDM)」のもとで先進国が途上国で行う排出削減事業で生み出し排出権市場で売買されるクレジットの2%を基金の財源にする。

・二酸化炭素汚染の削減や根絶を目指す国への技術移転の促進策を定める。

・化石燃料を使用する発電所から二酸化炭素を分離し地下に貯蔵する新技術について、この技術を2012年以降のCDMに組み込む可能性について2008年のポーランド会議で報告するよう関係機関に求めた。(c)AFP