【12月14日 AFP】アル・ゴア(Al Gore)前米副大統領は13日、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の第13回締約国会議(COP13)が開かれているインドネシアのバリ(Bali)島で演説を行い、米国抜きで強力な気候変動対策を行っていくよう世界に訴えかけた。一方、米国については同会議を台無しにしているとして非難した。

 ゴア氏は、温室効果ガスの排出量削減に向け断固とした取り組みを行うよう訴え、「わたしはもはや執務室にいるわけではなく、外交上のしきたりにはとらわれない。だから『不都合な真実(An Inconvenient Truth)』を口にする」と述べ、オスカー賞(Oscar)を受賞した自身の地球温暖化への取り組みを描いたドキュメンタリー映画について言及した。

 また、「わが国米国が同会議での進展を妨げているのは周知のことだ。だが、この会議を進展させ、希望を持ってさらに前進していくために対策を講じることができるのは米国だけではない」と訴えた。

 ゴア氏はさらに、米国内各地で地球温暖化対策への努力が増加していることを称賛し、「2009年に就任する次期米大統領が措置を講じるだろう」と希望を持つよう主張した。

「怒りや不満があると思うが、それを米国に向けるか、あるいは別の選択肢として、困難でもやるべき作業をすべてやって前進し、文書に大きな空白部分を残しておいて、『この文書は未完成です』と書いた脚注をつけることもできる」と述べた。

 同会議に参加している交渉団は、京都議定書(Kyoto Protocol)が期限切れとなる2012年以降の地球温暖化対策についての新枠組みの合意に向け協議しているが、その時間は同会議が終了する14日までとなっている。
(c)AFP/Shaun Tandon