2007年11月12日、オーストラリア南部ニューサウスウェールズ(New South Wales)州の乾燥した牧場。(c)AFP/Greg WOOD
【12月4日 AFP】温室効果の影響により、熱帯気候地域が両極に向かって拡大しているとの研究結果が2日、英科学誌「Nature Geoscience」に掲載された。
米国大気科学研究センター(National Center for Atmospheric Research、NCAR)のDian Seidel氏らが行ったこの研究は、インドネシアのバリ(Bali)島で国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第13回締約国会議(COP13)が開幕する前日に発表された。
熱帯気候地域の拡大により、地中海沿岸、米国のサンベルト地帯(Sun belt)、アフリカ南部、オーストラリア南部などの水不足が深刻化するなど、広範囲にわたり影響を与えると予想している。
地図製作上の定義では、熱帯気候地域は単純に北回帰線から南回帰線の間、赤道から南北緯度23.5度までの地域をいう。一方、気候学者らが考える熱帯気候地域の境界は、「ハドレー(Hadley)循環」と呼ばれるジェット気流の循環などのさまざまな条件で決定されるため、明確ではない。
このジェット気流は、赤道付近では雨が多く、南北回帰線付近では乾燥するという熱帯気候地域での降雨パターンを決定付ける要因となっている。
地球の温暖化により、ハドレー循環とそれに関連した大気や雨のパターンが両極に向けて拡大するとのコンピューターシミュレーション結果が、数年前に初めて発表された。最も極端なシナリオでは、21世紀中に緯度にして約2度(200キロ相当)拡大すると予測された。
今回発表された研究は、1979-2005年までに行われた5種類の計測結果に基づいている。計測結果から、ハドレー循環の変化はすでに発生しており、最悪のシナリオを超えた規模だと結論付けている。
5種類の計測結果によると、熱帯気候地域は25年間で緯度にして2-4.8度(200-480キロ相当)拡大。予想を上回る速度で拡大しているという。
一方、これらの発見には問題点も残るという。最大の問題点はシミュレーションに用いられた気候モデルの正確性だ。そのほか、熱帯気候地域拡大のメカニズムも明確ではないとしている。(c)AFP









