【11月13日 AFP】中国南西部の四川(Sichuan)省にある野生のジャイアントパンダの生息地で、餌となる竹が広範囲で枯れる見込みであることから、パンダの「食糧難」が懸念されている。中国の国営新華通信社(Xinhua news agency)が12日、伝えた。

 40か所の自然保護区に野生ジャイアントパンダ1206頭が生息している同地域では、現在約2万4000ヘクタールにおよぶ竹林で竹が一斉に開花し始めている。竹は開花すると枯れるため、近く広範囲で竹が枯れることが予測されており、これを主食とするパンダにとっては死活問題となる。1984-87年に一斉開花が起きたときには、数百頭のパンダが餓死した。

 同省林業庁野生動物保護センターの楊旭煜(Yang Xuyu)副所長によると、同地域の竹林ではすでに30%が開花しているという。

 過去にこうした竹の一斉開花が起きた場合、パンダは移住することで適応していた。だが、現在は人間の活動範囲が生息地付近まで広がっているため、パンダが移動する経路がふさがれている。

 同省林業庁は世界自然保護基金(World Wildlife FundWWF)と提携し、パンダの移動経路を復活させる計画を立てているという。(c)AFP