エジプトのシャルムエルシェイク(Sharm el-Sheikh)近くの保護地区に生息するブダイ(2005年7月5日撮影)。(c)AFP/TARIK TINAZAY
【11月2日 AFP】藻を餌とするブダイが、さんご礁の健康に必要不可欠な役割を果たしているとの研究結果が10月31日、英科学誌「ネイチャー(Nature)」で発表された。ブダイによって藻の繁殖が抑えられ、さんご礁の窒息を防ぐからだという。
研究を発表したのは、英国南西部にあるエクセター大学(University of Exeter)のPeter Mumby氏率いる研究チーム。チームは25年以上にわたり、カリブ海のさんご礁の状態を調査している。
■ハリケーンがさんご礁に影響
1980年、大型ハリケーン「アレン(Allen)」が36年ぶりにジャマイカ周辺海域を襲い、同海域のさんご礁の割合が75%から38%に減少した。
死んだサンゴは藻にとって豊富な餌だが、藻を餌とするウニが大量に生息していたおかげでサンゴは藻に襲われずに済み、数年後さんご礁は44%まで回復した。
しかし、1983年に病気が発生しウニが死滅。また当時は、乱獲により大型のブダイも絶滅状態だった。
1988年にはハリケーン「ギルバート(Gilbert)」が再び同海域のさんご礁を襲い、1993年までにその割合は5%以下にまで落ち込んだ。
研究チームによると、問題点の1つとして「悪循環」が挙げられるという。サンゴの被覆率が低下すると、藻を食べその繁殖を抑える生物がより少なくなり、さんご礁の減少を防ぐことがより一層難しくなる。
研究チームの試算によると、さんご礁保全の分かれ目は、ウニとブダイが半年ごとに少なくとも42%の藻を食べるかどうかだという。これを上回るとすべてのさんご礁は健康になり、下回ると藻が高密度に繁殖し、サンゴが減少する。
■地球温暖化もさんご礁減少の原因
この研究結果は、地球温暖化で脅かされているサンゴ礁の生態系を保護する方法も示している。ある研究では、地球温暖化によってさらに大型のハリケーンが発生する危険性もあると警告している。
またウニは、捕食者を取り除くことによって自らが有害とならなければ有用だ。
さらにブダイの保護も必要不可欠で、乱獲されなければ40%の藻を食べることができるが、乱獲でその数値は5%近くまで低下してる。
さんご礁は種の多様性の維持だけでなく、漁業や観光業に従事する数百万の人々にとっても主要な収入源となっている。(c)AFP








