【10月26日 AFP】国連環境計画(United Nations Environment ProgrammeUNEP)が25日公表した報告書、「地球環境概況4(GEO-4)」は、「環境対策には一刻の猶予もない」と指摘、各国指導者に環境問題を政策決定の核とするよう求めた。報告された要点は以下の通り。

・人類が現在必要とする土地の広さは1人当たり21.9ヘクタールだが、地球の収容限度は1人当たり15.7ヘクタールのみ。

・アフリカでは、1人当たりの食糧生産量が1981年以降12%減少した。

・開発途上国の人々が十分な食料を確保するために、2030年までに南アフリカの面積とほぼ等しい1億20万ヘクタールの土地が必要となるとみられる。

・アフリカの貧困率は、1985年-2000年の15年間で47.6%から59%に急増した。

・淡水資源が減少する一方で、開発途上国での水需要は2025年までに50%の増加が見込まれる。

・世界の主要河川の10%は、過度のかんがい取水が原因で1年のうち一定期間、海に流れ込む前に枯渇してしまう。

・世界の漁獲能力は、水産資源の持続可能な漁獲量の250%に達している。

・1850年以降、年平均気温がもっとも高かった11年は、過去12年間に集中している。

・1906年以降、地球の平均気温は0.74度上昇しており、今世紀内にさらに1.8-4度上昇するとみられる。

・温室効果ガスのうち数種類は、大気中に最長で5万年残存する可能性がある。

・2007年中に、都市部の居住者数が全世界人口の過半数を超えると予測される。

・世界人口の60%が、海岸から100キロ圏内に居住している。

・トーゴとベナンでは海岸侵食が激化し、海岸線が年30メートルずつ後退している。

・過去20年間に、オゾン層破壊の原因となる化学物質の生産は95%減少した。

・大気汚染によって、毎年2万人が早期に死亡している。

・地球上の主要な脊椎(せきつい)動物のうち、両生類の30%、哺乳類の23%、鳥類の12%が絶滅の危機にある。(c)AFP