【10月13日 AFP】2007年ノーベル平和賞が12日、アル・ゴア(Al Gore)元米副大統領と国連(United NationsUN)の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に授与されたことについて、地球温暖化懐疑派の間で一斉に反論の声が新たに広まっている。

 気候変動に関するドキュメンタリー映画『不都合な真実(An Inconvenient Truth)』で、ゴア氏は2006年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞しているが、同氏の活動について、一部の懐疑派らはノーベル賞受賞から程遠いとの見解を示している。

 チェコのバツラフ・クラウス(Vaclav Klaus)大統領は、ゴア氏の平和への貢献度について疑問を抱いており、「受賞とは驚きだ。彼の活動と世界平和との関連性が不透明だ」と述べる。

 右派の市民民主党(Civic Democrat PartyODS)を率いる同大統領は、地球温暖化問題を「一種のヒステリー」と呼び、『A Blue, Not Green, Planet(「緑ではなく青い惑星」の意)』という著書もある。

 フランスでは、元教育相で著名な地球化学者のクロード・アレグレ(Claude Allegre)氏がゴア氏の受賞に不快感を示しており、同氏の受賞を「政治的な戦略」と一蹴、「彼の映画はナンセンスだ。米国政治への介入が目的に決まっている。ゴア氏が次期大統領選挙への出馬を狙っていることは周知の事実だ」とAFPに対して語った。
 
 一方、米国政府はゴア氏の受賞に対し、慎重で中立的な態度を保っている。

 トニー・フラット(Tony Fratto)大統領副報道官は、ゴア氏は受賞に「感激」しているはずで、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領も「喜んでいる」と述べた。

 また、これでブッシュ政権も環境問題に対して「ゴア流」のアプローチが求められるのではないかという質問に対しては、「ノー」と答えた。(c)AFP