【9月20日 AFP】フランス北部のリール(Lille)市は19日、市内で運行するバス100台の燃料に家庭から排出される有機廃棄物(生ゴミなど)を発酵させて得るバイオガスを使用する計画を発表した。

 バイオガスは最新鋭のリサイクルプラントで生産。プラントの生産能力は年間400万立方メートルで、バス100台の通年走行に十分な量となる。バイオガスの燃料は生ゴミ、草花、刈り取り後の芝など。

 市では現在運行中の天然ガスバスに年内にもバイオガス燃料の供給を開始する。プラントの全面稼働は2008年末までに開始が予定され、その時点では年間10万8600トンの植物性廃棄物が処理できるという。

 市の都市計画担当者は「このような形で地元資源を活用し、バス燃料を自給する完ぺきなサイクルを実現した例はほかにない」と胸を張る。

 リール市はフランス第4の都市で、人口は約110万人。他都市に先駆けて都市政策に「グリーン・テクノロジー」を導入している。

 有機廃棄物をバイオメタン化して得られるバイオガスは、現在の化石燃料よりも炭素排出量がはるかに少ない。スウェーデンでは2005年に世界初のバイオガス電車が導入されている。(c)AFP