【6月25日 AFP】中国の国営放送によると、東部江蘇省の省都、南京(Nanjing)市では、気温が33度を超えるまで市庁舎内でのエアコンの使用が禁止された。エアコン使用制限はいくつかの市で導入されつつあり、この夏エネルギー不足が予測される中国で、政府の省エネ推進運動が実を結んできた証拠と言える。

 ある農林部局の職員は、制限の導入当初は暑くて不快だったが、徐々に慣れてきたといい、「政府職員としてわれわれが省エネに貢献する必要がある」と強調した。

 地元当局は前年に制限温度を28度から30度に上げており、今年はまだエアコンの電源を入れていない建物もある。

 これに先立ち同じく東部の都市、北京(Beijing)と揚州(Yangzhou)では、建物内のエネルギー消費量が国の基準に従っているかを調査する「エネルギー警察」を導入している。

 国務院(内閣)は手軽に涼を取る手段として政府職員にビジネススーツではなくTシャツの着用を推奨した。また公共施設でエアコンの設定温度を26度以下に設定することを禁止した。

 中国では過去15年、経済成長とともにエネルギー需要が急激に増加している。

 中国最大の都市、上海(Shanghai)では最近、一部地域で電力供給が停止した。政府は上海をはじめ中国各地のエネルギー供給網に過剰の負荷がかかり、需要の高まりに応じられないのではないかと警戒を強めている。

 中国政府は2010年までに国内総生産(GDP)当たりのエネルギー消費量を20%削減する目標を設定しているが、導入1年目の2006年は目標達成に至っていない。(c)AFP