【6月18日】長江下流にある中国最大の2つの淡水湖で有毒の藻が大量発生し、湖内の生態系や近隣住民の生活を脅かしている。17日付け工人日報(Workers Daily)が伝えた。

 同紙が掲載した最新の衛星写真には、異臭を放つ青緑の藻が江蘇(Jiangsu)省の太湖(Taihu)と安徽(Anhui)省の巣湖(Chaohu)で増殖している様子が写っている。

 太湖では有毒藻の発生がしばらく前から問題となっており、湖に近い無錫(Wuxi)では水道水の使用が禁止された。専門家によると、藻の被害は太湖で拡大しているほか、近くの巣湖にも広がっており、巣湖の表面は40平方キロの広範囲で藻に覆われているという。

 地元当局は「1時間ごと」に水質検査を行っており、安徽省の環境保護庁の担当者が「事態は深刻だ」と述べたと同紙は報じている。

 温家宝(Wen Jiabao)首相は12日、太湖の有毒藻の発生は汚染に対する「警鐘」だと述べ、早急な対応を求めた。

 中国政府の統計では、国内の水路の70%および地下水の90%が汚染されているとの結果が出ている。

 政府当局は今月、太湖付近の地方自治体に対し、汚染源の工場をすべて閉鎖し、2008年6月末までに新しい排水基準を満たすよう命じている。(c)AFP