【6月3日 AFP】ヴァージン・アトランティック(Virgin Atlantic)のリチャード・ブランソン(Richard Branson)会長が2日、同社の東アフリカ航路の開通を記念して、ケニアでのゾウの保護計画「Virgin Mount Kenya Elephant Corridor」創設への支援を発表した。

 これは、人間の開発によって生息地を追われた約2000頭のゾウを保護する10年間の計画で、100万ドル(約1億2200万円)を必要とする。ブランソン会長は25万ドル(約3050万円)の援助を約束した。

 ブランソン会長はジョモケニヤッタ(Jomo Kenyatta)国際空港で記者団に対し「歴史的にアフリカ象は南アフリカから地中海一帯に生息しているが、その数は激減しており、危機的な状態にある」と述べ、「われわれはゾウの保護地域を建設する必要がある。ひいては村やそこに暮らす人々や作物、さらに広い意味での環境を守ることになる」と続けた。

 計画では、2つの生態系(動物と人間)を結び、ゾウが昔から使っていた経路を通れるようにして、ゾウが人間の居住地に迷い込む可能性を減らす。さらに、密猟、伐採、炭焼きや非合法の家畜放牧など人間が自然環境に悪影響を与える行為を減少させることが期待される。

 この計画について意気込むブランソン会長は、「この地域に暮らす動物と人間の生活に欠かすことのできないライフラインをつくることができる」と述べる。

 環境保護の専門家らによると、人間の活動によってアフリカ象の個体数は、1940年代の500万頭から現在では40万~60万頭まで約10分の1に減少したとし、また密猟で毎年約2万頭のゾウが殺されているという。(c)AFP