カリフォルニア州Hesperiaのカルアース研究所(California Institute of Earth Art and Architecture、CalEarth)の敷地内に建てられた土のう建築の家「スーパーアドービ(superadobe)」。(2007年4月14日撮影)(c)AFP/Gabriel BOUYS

【5月26日 AFP】イラン生まれの建築家ネーダー・ハリーリ(Nader Khalili)氏が建築する夢の家。それは、人類がいつの日か月に移住する時に人々の住まいとなる家だ。その家は環境に優しく建築費用もほとんどかからない。
■建材は「土と水と火のみ」なのに、天然の「エアコン効果付き」
太陽が照りつけるカリフォルニア(California)の砂漠地帯の果て、月の表面にも似た環境の中に、素焼きのドーム型の家々が立ち並ぶ。見つめるハリーリ氏の表情は満足げだ。
1971年に米国に移住したハリーリ氏は、カルアース研究所(California Institute of Earth Art and Architecture、CalEarth)を立ち上げた。20年にわたり、土のうを窯で焼き上げた住居の建築方法を学生たちに指導してきた。
使用するのは土と水と火のみで、アーチ型やドーム型といった基礎的な建築形式を取る。建て方は、極めて簡単だ。ハリーリ氏の説明によれば、「地面を掘り下げ、その土を袋に詰めて土のうにする。それを積み上げて家の形に整える」だけだという。
土のうを固定したら、建物内部に粘土を厚く塗って焼き固める。大きめ多少凝った造りの家でも、大人3人で1週間もかければ完成する。
強度も十分地震に耐えうる程度だという。土を素材とするため、通気性を持つ壁が天然のエアコン効果を果たしている。
■NASAも注目する「未来型住居」は「歴史的建築技法」から生まれた
ハリーリ氏の「素焼き住宅」は、未来型住居として期待を集めるおり、その建築方法は画期的ながら、同氏によれば、実際は歴史的建築技法に着想を得たものだという。
「わたしにとって、家の建材は土以外には考えられない。画期的な発明をしたなどとは、全く思っていない。地中海文明では土や自然素材で家を建てることは当たり前だったのだから」
ハリーリ氏の家は、カリフォルニアにスペイン人入植者が建築した日干しれんがの家にちなんで「スーパーアドービ(superadobe)」と名付けられている。
ハリーリ氏の建築方法は、国連(UN)にも認められている。また、米航空宇宙局(NASA)からも何度も招聘を受け、「月面居住計画」で同氏の建築方法を採用する可能性についてのプレゼンテーションなどを行っている。(c)AFP










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