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悪化が進むアザラシの生息状況、保護団体は猟の中止を要請 - カナダ

  • 2007年03月25日 18:20 発信地:カナダ
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写真は、セントローレンス湾の浮氷の上に現れた子供のアザラシ(2006年3月2日撮影)。(c)AFP/David Boily

【オタワ/カナダ 25日 AFP】22日、動物保護団体の活動家らがアザラシ猟を中止するよう訴えた。カナダでは毎年アザラシの間引きが実施されているが、活動家らによると、地球温暖化の影響により繁殖地となる氷の量が減少し、タテゴトアザラシ(harp seals)が危機的状況にさらされているという。

 米国動物愛護協会(US Humane Society)でカナダの野生動物問題を担当するRebecca Alderworth氏は、「気候変動により死んだアザラシの子どもは26万頭に達する」と述べ、「大西洋北西部で生まれた多くのアザラシが生息地の破壊により死んでいる。この生態学的災害を生き抜いたアザラシをファッションアイテムのために虐殺することは認められない」と主張する。

■遅れる狩猟数量の発表

 政府当局もタテゴトアザラシを取り巻く環境の悪化を認めているが、狩猟中止を決断するには至っていない。漁業海洋省報道官のPhil Jenkins氏はAFPの取材に対し、「例年、今ごろまでには狩猟数量を発表しているが、今年は氷の状況が良くないため(データの分析に)時間をかけている」と語る。

 Jenkins氏は氷の状況について、「ここ4、5年は悪化が続いており、われわれの懸念事項となっている。(アザラシの繁殖にとって)望ましくない状況で、例年よりもアザラシの子どもの死亡数を多く見積もっている」と述べ、「狩猟を実施する場合、前年33万5000頭よりも狩猟数量を減らす可能性が高い」と付け加えた。

 アザラシの商業捕獲は例年、この時期に実施されているが、今年は、ロヨラ・ハーン(Loyola Hearn)漁業海洋相がその発表を遅らせている。カナダ東部のセントローレンス(St. Lawrence)湾南部に浮かぶ氷の薄さがタテゴトアザラシの繁殖に与える影響を、専門家らが評価しているためだ。タテゴトアザラシの群れのうち、毎年最大20%程度が2月または3月、同地域に浮かぶ厚い氷の上に巣を作る。だが、政府当局や動物保護団体は今年、同地域において繁殖には不十分な氷の断片しか確認できていない。

■グリーンピースによる抗議活動

 議会ビル前に集合した動物保護団体のメンバーらは、凍るような寒さの中で裸の身体に赤いペイントを施し、アザラシ猟に抗議する活動を展開した。

 グリーンピース(Greenpeace)のToni Vernelliさんは、「われわれは(政府に対して)予防手段を講じ、今年の狩猟を中止するよう要請する。商業捕獲の継続はタテゴトアザラシの長期的な保護と相いれない。氷が重要なこの生き物は、地球温暖化のために生息地を奪われ、すでに危機的状況に陥っている」と語る。

■政府の反論

 グリーンピースの主張に対しJenkins報道官は、「セントローレンス湾南部で温暖化の影響を受けているのは、大西洋全体に生息するアザラシの20%に過ぎない」と反論。また、「多くの猟が実施される湾北部やニューファンドランド(Newfoundland)付近に浮かぶ氷に『問題はない』」と述べ、漁業海洋相が今年の狩猟を中止するとの観測を否定した。

 カナダ東部では過去3年間、商業狩猟により100万頭のアザラシが殺されている。そうした動きを保護団体らは、「世界最大規模の海洋ほ乳類大虐殺」と称する。最近、欧州やカナダではアザラシ猟の「残忍性」を訴える抗議活動が展開されているが、オタワ(Ottawa)当局は「狩猟がアザラシの個体数を脅かすことはない」との姿勢を崩していない。

 ハーン漁業海洋相も前週、「アザラシ猟反対派らは『持続可能で採算が合い、文化的にも重要な』慣行に対する『偏った』主張を展開している」との声明を発表した。なお、漁業海洋省高官は、過去30年間で大西洋に生息するアザラシの個体数が急増し、2004年には540万頭に達したと述べている。

 写真は、セントローレンス湾の浮氷の上に現れた子供のアザラシ(2006年3月2日撮影)。(c)AFP/David Boily

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