関連情報バイオ燃料をめぐる世界の動き
【ジャカルタ/インドネシア 17日 AFP】インドネシアは、今後成長が期待されているバイオ燃料事業に着手する。既に170億ドル(約2兆298億円)規模の外資の出資が決まるなか、一部では森林破壊を懸念する声も上がっている。
インドネシアは豊富な石油・天然ガス資源を抱えるものの、東南アジア最大ともいわれる同国経済の成長に伴い、化石燃料に対する需要に供給が追いつかない状態。インドネシアは今、エネルギー確保に向けて代替エネルギーを模索している。
政府は、再生可能エネルギーの2025年までの供給目標を全エネルギー需要の17%に設定。2006年には代替エネルギーの開発に向けてNational Team for Biofuel Developmentを設立した。
主任のAl Hilal Hamdi氏によると、代替エネルギーとして用いられるパーム油、キャッサバ、ジャトロファ、サトウキビなどの作物は、インドネシアのエネルギー保障だけでなく、雇用問題、貧困対策、環境問題、地域安全の確保も期待できるという。
■ 近隣諸国の関心も高く
前月に国内外の企業が合意したバイオ燃料計画への出資総額は124億ドル(約1兆4805億ドル)に到達、パーム油やサトウキビを原料としたバイオディーゼル燃料やバイオエタノールの生産事業が推進されている。単独契約として最大の中国国営企業の中国海洋石油総公司(China National Offshore Oil Corp)がインドネシアのシナール・マス・グループ(Sinar Mas Group)の子会社PT SMARTおよびHong Kong Energy (Holdings) Ltdと合意した55億ドル(約6567億円)。ほかマレーシアのGenting Bhdや日本の三菱、三井、ブラジルのペトロブラス(Petrobras )や韓国、シンガポールから数社が出資している。
Al Hilal Hamdi氏によると、バイオ燃料用作物の作付け面積を今後8年間で500万ヘクタールから600百万ヘクタールに拡大するという。規模としてはデンマークよりもはるかに広く、スリランカやウエストバージニア(West Virginia)州よりはやや狭いといったところ。開発計画が決まる中、一部保守派からは森林破壊を懸念する声が上がっているのも事実だ。
■ 環境汚染の悪化につながるとの意見も
オランダのWetlands InternationalおよびDelft Hydraulicsは2006年12月、バイオ燃料が化石燃料よりも環境汚染を悪化させる原因となりうるという研究結果を発表した。ピートは腐敗が急速に進むため、パームヤシ栽培のためかんがいした広大なピートの土地から、大量の二酸化炭素が排出される恐れがあるこというのだ。
腐敗したピートの大地からは、1ヘクタール当り年間70から100トンの二酸化炭素が排出される恐れがある。これは石炭を使用した場合の10倍に相当する。
エネルギー保障や環境問題が懸念される一方で、Al Hilal Hamdi氏は、バイオ燃料計画最大の目的は貧困対策と雇用対策の改善にあると説明する。インドネシアでは約4000万人が、貧困の基準となる1日辺り1.55ドル(約185円)未満での生活を強いられており、数千万人が失業状態にある。同氏は「失業率は昨年10.2%に達した。2009年から2010年には、これを6%まで削減したい。それには約400万人の雇用が必要となる」と指摘する。
写真は北スマトラのメダン(Medan)にあるパームヤシの大農園で働く男性(2005年11月19日撮影)。
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