
【ワシントンD.C./米国 8日 AFP】ホワイトハウスは7日、前週国連(UN)の作業部会が気候変動に関する報告書の発表を受け、地球温暖化問題を無視してきたとするジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領への批判に反論する異例の公開書簡を発表した。
書簡は、「ブッシュ大統領は大統領就任当初から、気候変動を最重要課題としてきた」と反論している。さらには「大統領は2001年6月以来、気候変動を認識し、人間がそれに起因していることを指摘してきた」として、2001年と2002年の演説からの引用を「証拠」として提示している。
「大統領は、2001年以来、気候関連の科学、技術、国際援助、奨励策に290億ドル(約3億5000万円)をつぎ込んだ。これは他国に抜きん出た額だ」と書簡は続く。
この書簡は、同日に開催された連邦議会の公聴会にあわせて公開された。この公聴会で、専門家や政治家らは、地球温暖化に関する自由な議論に蓋をしようとしているとして、ブッシュ政権を批判している。
■政府が温暖化の研究結果をゆがめている!?
公聴会は、米科学者団体「憂慮する科学者連盟」(Union of Concerned Scientists、UCS)と「政府の説明責任プロジェクト」(Government Accountability Project、GAP)が前週、「ブッシュ政権の政治的介入によって、政府機関の地球温暖化に関する研究結果がゆがめられている」とする報告を行ったことを受けて、召集されたもの。
GAPの気象科学部門のディレクターであるRick Piltz氏は、「政府は環境問題諮問委員会(Council on Environmental Quality)に報告書を提出する専門家や機関に対して神経過敏になっている」と指摘。「地球温暖化問題について沈黙を強いている」とブッシュ政権を非難した。
■大統領は温暖化問題を無視していると非難
環境問題の専門家たちは、大統領が就任当初から地球温暖化問題を無視し、地球温暖化に人間が寄与してきたことを示すれっきとした証拠を隠ぺいしようとしていると非難してきた。さらに、ブッシュ政権が京都議定書(Kyoto protocol)から離脱したことにも厳しい非難を表明している。
大統領は、これまで政策演説では地球温暖化に触れることはめったになかったものの、1月23日の一般教書演説で「気候変動は深刻な問題」と言明。代替エネルギーへの切り替えも盛り込んだ新しいエネルギー政策を発表した。
先の公開書簡には、「わが国の2000年以来の温室効果ガスの削減量は世界でもトップクラス」「国際エネルギー機関(International Energy Agency)によると、わが国では2000-2004年の人口増と10%もの経済成長にもかかわらず、二酸化炭素の排出量はわずか1.7%増であった」「それに比べて、EUは同じ時期、経済成長がわが国に劣るにもかかわらず、二酸化炭素の排出量は5%も増加している」などの記述が並んでいる。
7日の公聴会では、2006年6月に地球温暖化の原因を探る討論会を開催したと大統領が主張していることが紹介された。前週の国連作業部会の報告書は、「人間が原因」と結論付けている。
写真は、南極大陸でロス氷壁から分離して崩れ落ちる氷河。(c)AFP/THE ANTARTIC SUN/Brien BARNETT
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