【グワハティ/インド 24日 AFP】インド北東部のアッサム(Assam)州では、空腹の象が人間を襲撃し、多数の死亡者が出ている。深刻な事態に発展しているこの問題について、翌週専門家を集め、緊急会議を開くこととなった。
アッサム州の有名なカジランガ国立公園(Kaziranga wildlife sanctuary)で開催される今回の会議は、人間と象の対立緩和を目指し、自然保護論者や野生動物管理者、村の代表者らが出席する予定だ。
■象に殺されたのは5年間で265人
過去5年間にアッサム州で象に襲われ、死亡した人の数は265人。一方殺された象の数は265頭にのぼった。森林面積の縮小や象の生息域へ人間が侵入したことから、象は食糧を求め従来の生息域を出て人間の生活領域に侵入せざるをえなくなった。同州で野生動物管理局局長を務めるM.C. Malakar氏は、「人間と象の戦いは非常に深刻だ」としみじみ語る。
1996年と2000年に撮影された衛星写真を見ると、人間が住んでいなかったアッサム州の森林28万ヘクタールに村人が住んでいる、と専門家は解説する。アッサム州のアジア象の数は約5000頭と見積もられており、インドで最大数。
■人里で酒を飲む象
象の問題が深刻化するにつれ、人間の象に対する寛容さも失われてきていると、関係者は話す。
村人たちは以前は太鼓をたたいたり、爆竹の音で象を追い返していた。だが、現在は襲撃をする象に対し、毒物を使用するようになった。過去数か月間、アッサム州の数か所で野生の象が大損害を与える事件が起きている。村に侵入した象が、村人が作った酒を飲むなどしたという。
なお、今回の報告書は、インド経済の中心地、ムンバイ(Munbai)で水を運ぶタンカーに衝突した象が22日に死亡した事故を受け、動物保護団体が作成した。経済地区に象が進入しないことを目的にしたもの。死亡した象のLaxmiは、宗教行事などに参加できる15頭の象の一頭だった。事故で足を骨折し、脊椎も損傷したため、事故の翌日死亡した。事故を起こしたタンカーの操縦者は、飲酒運転していたとみられている。
写真は3日間で13人を殺し、州政府の許可で殺された象(2002年6月25日撮影)。(c)AFP