【1月15日 AFP】1981年に事故死した米女優ナタリー・ウッド(Natalie Wood)さん(当時43歳)の死因についての新たな検視報告書が14日、公開された。報告書は、ウッドさんの遺体にみられた傷が、海に落ちる前に「偶発的ではない状況」によりできた可能性があると指摘している。

 映画『ウエスト・サイド物語(West Side Story)』や『理由なき反抗(Rebel Without a Cause)』で知られるウッドさんは1981年11月29日夜、夫で俳優のロバート・ワグナー(Robert Wagner)さんと米俳優クリストファー・ウォーケン(Christopher Walken)さんとレストランで飲食した後、カリフォルニア(California)州サンタ・カタリナ島(Santa Catalina Island)沖で水死体で発見された。

 当時、ウッドさんの死は事故として処理されたが、真相については長らく「ハリウッドの謎」となっていた。だが2011年11月、ロサンゼルス郡保安官事務所(LA County Coroner's Office)はウッドさんの死に関する新たな情報が寄せられたとして捜査を再開した。

 14日に公開された検視報告書は昨年5月に作成されたもので、ウッドさんと夫のワグナーさん、ウォーケンさんの3人がレストランで飲食してから自家用ヨット「スプレンダー(Splendour)」号に戻るまでの経緯について記されている。

 スプレンダー号の船長だったデニス・ダバーン(Dennis Davern)氏は、真夜中ごろになってウッドさんがいないことに皆が気付いたが、ゴムボートで先にスプレンダー号に戻ったのだろうと思ったと、当時を振り返っている。

 ダバーン氏によると、ワグナーさんは午前1時半ごろになってウッドさんの捜索を依頼した。ウッドさんは岸から180キロ、スプレンダー号から1.6キロの沖合で、うつぶせの状態の遺体となって発見された。近くにはゴムボートが浮かんでいたという。

 米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angels Times)が掲載した検視報告書のなかで、検視官はウッドさんの遺体にみられた打撲や傷跡はヨットやゴムボートから落ちた際にできたものとは断定できず、偶発的な原因ではない可能性も排除できないとし、さらにウッドさんが海に入った経緯についても故意ではない可能性があると述べている。

 その結果、報告書はウッドさんの死因を「事故」から「水死および不確定要因によるもの」に変更した上で、ウッドさんの死をめぐる状況については「断定できていない」としている。(c)AFP