【10月16日 AFP】英国のタブロイド紙が有名人に関する偽情報を流した同国の映画監督にまんまとだまされ、その偽情報をそのまま紙面に掲載してしまっていたことが明らかになった。同監督が15日、語った。

 これは、映画監督クリス・アトキンス(Chris Atkins)さんとそのチームが、ドキュメンタリー映画『Starsuckers(スターに目がないやつら)』の撮影のために2年かけて調査したものだという。英国の有名なタブロイド紙に電話をかけて偽の情報を伝えたところ、その情報が事実確認もされないまま翌日の紙面を飾ったという。

 アトキンスさんが流した虚偽情報の中には、歌手エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)が友人とセッションしていたとき、ヒューズが爆発してトレードマークのハチの巣のような髪型が燃えてしまったなどというものもあった。

 アトキンスさんがガーディアン(Guardian)紙に話した内容によれば、この話は2紙に掲載され、インターネットで広まったという。

「今やニュースメディアの全分野を占める多くのセレブ系の話題に、真実がどれだけあるのか試したかった」と話すアトキンスさんは、記者がどれだけ事実確認をするのか、どれほど安易に紙面に載ってしまうのかを知るためにストーリーをいくつか作り上げたという。

「すべての話がいかなる方法でも事実確認がされることはなかった。事実確認はできただろうし、そうすればすぐにばかげた話だとわかったはずだ」

 その他の作り話としては、英ロックバンド「ガールズ・アラウド(Girls Aloud)」のサラ・ハーディング(Sarah Harding)さんをネタにしたものもあった。

 ハーディングさんの引っ越しを手伝った男性の妻を装って、アトキンスさんの仲間がタブロイド紙に電話をかけ、ハーディングさんの家にたくさんの量子物理学の本があり望遠鏡が1台置いてあったという話を詳しくした。するとその話が、「サラは科学者」という見出しで掲載されたという。(c)AFP