【9月15日 AFP】(一部更新)すい臓がんを患い闘病生活を続けていた米俳優パトリック・スウェイジ(Patrick Swayze)さんが14日、がんに伴う合併症により死亡した。57歳。スウェイジさんの広報担当者が同日、明らかにした。

 スウェイジさんは2008年1月、すい臓がんで4段階中の最も進行したステージⅣと診断された。米国がん協会によれば、ステージⅣの場合、5年以上の生存率はわずか1%だという。

 スウェイジさんは病気を告白し治療を受け、闘病生活の傍ら体重を落としながらも仕事を続けた。

 1月には米ABCテレビの番組でバーバラ・ウォルターズ(Barbara Walters)氏のインタビューを受け、病気を克服する決意を語っていた。病気の事は隠しておくつもりだったが、タブロイド紙に死が近いと報じられ、家族や友人を守るために公にしたという。

 5月には、スウェイジさんが死亡したという一部報道に対し、広報担当者がその内容を否定、スウェイジさんは体調も良く治療を続けていると語っていた。

■『ダーティ・ダンシング』でスターダムに

 スウェイジさんは、ダンス講師と技術設計士の間に生まれテキサス(Texas)州で育った。1980年代から90年代にかけて数多くのヒット作に出演。1991年にはピープル(People)誌の「最もセクシーな男性」に選ばれたこともある。

 1972年にニューヨーク(New York)に移住し、ジョフリー・バレエ(Joffrey Ballet)やハークネス・バレエ(Harkness Ballet)でダンスを学んだ。

 1985年に出演したテレビドラマ『南北戦争物語 愛と自由への大地(North and South)』がヒットすると、さえない少女にダンスを教えるインストラクターを演じた87年の映画『ダーティ・ダンシング(Dirty Dancing)』が国際的に大ヒットし、スウェイジさんは一躍スターダムへと駆け上った。

『ゴースト/ニューヨークの幻(Ghost)』では、デミ・ムーア(Demi Moore)さんやウーピー・ゴールドバーグ(Whoopi Goldberg)さんと共演。ゴールドバーグさんはこの作品でオスカーを獲得している。95年には『3人のエンジェル(To Wong Foo, Thanks for Everything! Julie Newmar)』で女装姿も披露した。

 スウェイジさんは妻で女優のリサ・ニエミ(Lisa Niemi)さんと闘病生活を送る傍ら仕事を続け、最近ではテレビシリーズ『The Beast』の5か月にわたる撮影に参加、FBI捜査官を演じた。 

「地獄のような苦しみを味わっている」スウェイジさんは1月のインタビューでこう語っていた。

■シュワルツェネッガー知事も称賛

 俳優出身のアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)カリフォルニア(California)州知事は、スウェイジさんを「世界中の観客の記憶に残る才能と情熱溢れるアーティスト」だとたたえた。

「舞台や映画で幅の広い役柄を演じた。彼の素晴らしいパフォーマンスは演技という難しい仕事を苦労などないかのように見せた。私の経験から言えば、それは簡単なことではない」

(c)AFP