【9月14日 AFP】レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)主演で映画化された『バスケットボール・ダイアリーズ(The Basketball Diaries)』の原作者ジム・キャロル(Jim Carroll)氏が11日、心臓発作のため死亡した。60歳。前妻が13日、ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙に明かした。

 詩人でミュージシャンのキャロル氏は少年期、バスケットの名選手としてマンハッタン(Manhattan)アッパー・ウェスト・サイド(Upper West Side)の私立学校に通いながら、ヘロインに溺れ同性愛者に体を売ってヘロインを買う金を稼いでいた。その頃に書き、映画の原作になったのが『マンハッタン少年日記』だ。

 この日記にも書かれたキャロル氏の激しい詩は、ジム・キャロル・バンド(Jim Carroll Band)の楽曲の歌詞になり、キャロルは新時代のボブ・ディラン(Bob Dylan)とも言われた。

 歌手で詩人のパティ・スミス(Patti Smith)さんは「私たちが出会った1970年には既に、キャロルは同世代で最高の詩人と広く認識されていた。作品は洗練されていて優雅だった。キャロルには美しさがあった」と語った。

 キャロル氏はスミスさんだけでなく、キース・リチャーズ(Keith Richards)、故アレン・ギンズバーグ(Allen Ginsburg)、故アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)などいろいろな世代の詩人や芸術家と交流を持った。

 音楽では、アンダーグラウンドロックやパンクに大きな影響を与えた。1980年のアルバム『Catholic Boy』のナンバーワンヒット「People Who Died」は、薬物濫用や殺人などで命を落とした友人たちを歌ったもので、映画『E..T.(E.T: The Extra-Terrestrial)』に使用されている。(c)AFP