【4月21日 AFP】「中国人は統制される必要がある」と語った香港の映画俳優ジャッキー・チェン(Jackie Chan)さんに対し、中国国内で非難の声が上がっている。

 チェンさんは18日、政財界トップが集まる年次会合「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム(Boao Forum for Asia)」に出席し、「自由がありすぎると非常に混乱し、香港や台湾のような結果になりかねない」などと発言。中国本土では自由を与えすぎないよう慎重にすべきだと語っていた。

 2日後の20日、中国メディアがこの発言を報道すると、批判が続出した。

「ジャッキー・チェンは民主主義を全くわかっていない」。ジャーナリストが運営するサイト「Huamei Website」には、こんなコメントが寄せられた。「彼の発言は、中国人は自主管理ができないという差別的な見方と、中国人は自立心を欠いた羊の集団であるかのような考えに基づいている」

 中国北東部・遼寧(Liaoning)省のウェブサイトには、法の支配を確立させ、経済改革で国民生活を改善しようという中国の努力をジャッキー・チェンは分かっていないというコメントが掲載された。「中国人は立ち上がり、それぞれが国家の主となった。もはや奴隷ではない。しかし、このような自由な生活はミスター・チャンには合わないようだ」

 香港や台湾でも批判が続出している。香港の民主党副主席Emily Lau氏は「ジャッキーは正気じゃないと思う。なぜこんな発言をしたのか分からない」と語った。「香港が混乱していると言う人になど会ったことがない。非常に遺憾だ。ジャッキーは謝罪すべきだし、こんなくだらないことを言うのはやめてほしい」。(c)AFP