関連情報マドンナの養子縁組問題
第61回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)のレッドカーペットに登場したマドンナ(Madonna、2008年5月21日撮影)。(c)AFP/FRANCOIS GUILLOT
【5月23日 AFP】(一部更新)第61回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)を訪れている歌手のマドンナ(Madonna、49)は22日、マラウイのデビッド・バンダ君(David Banda、3)の養子縁組を申請している件について、メディアが冷淡な姿勢を示していることにも触れ、「出産と同じくらい苦しんできたが、恒久的な養育権を勝ち取る自信はある」と語った。
自ら脚本、プロデュースを手掛けたマラウイのエイズ(AIDS)孤児に関するドキュメンタリー『I Am Because We Are』のプロモーションのためカンヌ入りしているマドンナは、メディアからの批判や疑惑に困惑していると語った。
「つらく、苦しく、(批判が)理解できなかったけれども、『妊娠・出産には大きな苦しみが伴うのだ』と自分自身を納得させた。誘拐だとかなんとか言ってわたしを真正面から非難するメディアに対処するのは、わたし自身の産みの苦しみのようなものだった。経験しなければならない一種のプロセスのようなもので、そういった経験がわたしを強くしてくれた。だからわたしは文句を言えないの」
マラウイの高等裁判所は、今週にも、マドンナと夫で映画監督のガイ・リッチー(Guy Ritchie)にデビッド君の恒久的な養育権を与えるか否かの裁定を下すと見られる。暫定的な養育権が認められてからは18か月が経過している。
■養子縁組にはマラウイ国内でも非難
マラウイでは人口の半分以上が1日1ドル以下の生活を強いられている。そしてエイズの感染率も世界最悪の部類に入り、人口の約14%がHIVウイルスに感染している。エイズ孤児は100万人を超える。
デビッド君の母親はエイズを患っており、出産直後に死亡した。デビッド君はやがてエイズ孤児院に預けられた。マドンナは2006年10月にこの孤児院を訪れ、デビッド君を気に入り、養子縁組を申し出た。デビッド君の実父は最初異議を唱えていたが、「マラウイの貧困から逃れさせるために」正式に同意したという。
すでに2人の子どもがいるマドンナの養子縁組については、莫大な富にものを言わせて養子縁組に必要な手続きを省略しようとしているとか、デビッド君をまるで「セレブの流行のアクセサリー」扱いしているといった批判が寄せられている。
マラウイの人々は、マドンナが同国で行っている慈善活動については賞賛しているが、養子縁組については非難している。
マドンナは、同国に国際的な養子縁組を認める法律がないことから、自分のケースが「テストケース」になるとの認識を示している。
■「豊かなのに心が病んでいる」先進国に疑問を呈する
この日カンヌ映画祭で上映された『I Am Because We Are』は、エイズに苦しむ親たちと、突然ひとりぼっちになるという孤児たちの恐怖を描いたものだ。ビル・クリントン(Bill Clinton)前米大統領やノーベル平和賞(Nobel Peace price)を受賞した南アフリカのデズモンド・ツツ(Desmond Tutu)元大司教ら、エイズ問題に取り組む活動家らのインタビューも挿入される。
タイトルは、一人ひとりが共同体および世界につながっているという意味のアフリカのことわざをもとにしたもの。
映画の結末は、エイズ孤児の医療や教育、心のケアにあたる慈善団体に焦点をあてた、明るい未来を予感させるものになっている。観た人に「自分ができることは何か」を問いかけてもいる。
マドンナは記者会見で、映画の悲惨さとカンヌの派手さには激しい落差があるがとの質問には答えず、「彼らの苦しみは明らか。彼らはほとんど何も持っていないように見える。皮肉なのは、モノがありあまる世界に戻ったとき、われわれは突然自問自答を始めることだ」と語った。
「(先進国では)誰もがみじめで、うつを抱えており、抗うつ剤を飲み、文句を言い、あり余るほど持っているのにイライラしている。だからわたしは映画で問いかけた。『こんなことを誰が正しいと思うの?本当に助けを必要としているのは誰なの?』とね」
監督は、マドンナ夫婦宅で庭師とベビーシッターをやっていたアマチュアのNathan Rissmanがつとめる。監督の経験不足にもかかわらず、映画はその脳裏に焼き付くような映像とインタビューの簡潔な編集が高い評価を得ている。
「世界中の人々がこの映画を観てほしい」とマドンナ。わずか6歳の時に母親を失った経験が、エイズ孤児というテーマに向かわせたと語った。(c)AFP/Deborah Cole
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