【4月25日 AFP】故ジョン・レノン(John Lennon)の妻のオノ・ヨーコ(Yoko Ono)さんが、レノンの映像を無断で使用したとして2つの団体を相手取り裁判を起こしている。

■レノンのプライベートライフ撮影したビデオを無断使用?

 提訴されている団体の1つは、ビートルズ(The Beatles)の収集家たちの共同体「World Wide Video」。オノさんの元夫アンソニー・コックス(Anthony Cox)さんから映像を購入したと述べており、映像の所有権について自らも訴訟を起こしている。「3 Days in the Life」と題されるこの映像は、レノンが家族や友人とともに過ごす様子をコックスさんが撮影したもの。マリファナを吸ったり、ニクソン元大統領のお茶にLSDを混入させることを思いめぐらせたり、「Remember」や「マインド・ゲームス(Mind Games)」を作曲したりするレノンの姿も映っている。

 World Wide Video側は「プライベートで使用規制のないもの」だと、主張。30日にマサチューセッツ(Massachusetts)州の地方裁判所で、予備審問が開かれる。

「我々の映像は若い世代に、過ぎし日を生きた人々の姿を教えることができる。芸術、音楽、ファッション、政治の分野で新しい基準を打ち立てた人間のさまざまな側面を、鋭い洞察力により語っている」と、World Wide Videoのレイ・トーマス(Ray Thomas)氏は話す。

■ダーウィン進化論の反論ドキュメンタリー映画に「イマジン」使用

 もう一件の裁判は、Premise Mediaとロッキー・マウンテン・ピクチャーズ(Rocky Mountain Pictures)に対するものだ。レノンが「イマジン(Imagine)」を歌う映像を、ダーウィン(Charles Darwin)の進化論に疑問を呈するドキュメンタリー映画『Expelled: No Intelligence Allowed』の一部に許可なく使用したとして、オノさんがマンハッタン(Manhattan)の連邦裁判所に提訴している。

 オノさんは同ドキュメンタリーのクレジットが、オノさんがレノンの映像使用を許可したという誤解を視聴者に与えると主張。一方のPremise Mediaとロッキー・マウンテン・ピクチャーズは、「楽曲のほんのわずかな部分」を使用しただけだとの声明を出している。(c)AFP