【3月11日 AFP】急死した米俳優の故ヒース・レジャー(Heath Ledger)さんが遺言状に妻子を遺産相続人として明記していなかったことから、親族らは2人が遺産を受け取ることができないと主張していたが、この件についてレジャーさんの父親がパース(Perth)で10日、レジャーさんの幼い娘も遺産を相続すべきだと明言した。

 1月に28歳の若さで急死したスター俳優のレジャーさんには、女優ミシェル・ウィリアムズ(Michelle Williams)さんとの間に2歳になる一人娘マチルダ(Matilda)ちゃんがいる。レジャーさんはマチルダちゃんが生まれる以前に「両親と姉妹が自分の全財産を相続する」とする遺言を書いていた。そのため親族は、遺言通り妻のウィリアムズさんと娘の2人には相続権がないと主張していた。

 ところが父親のキム・レジャー(Kim Ledger)さんはこの主張を否定。「マチルダは私たちにとって何よりも大切な存在だし、ミシェルもわれわれ家族の大事な一員だ。彼女たちをこれからも守っていく。それがヒースの望みだ」と述べた。

 レジャーさんの遺書が原因で生じた遺産騒動を受けて、ロサンゼルス(Los Angeles)にいたキムさんは、親族に対しレジャー家の内部の争いを表に出さないよう求めている。家族の代理人によると、キムさんは次のように述べている。「最愛の息子を失うという、私たちにとって非常につらい時に、今までずっと疎遠でこれまでの内情を知らない親戚が突然公の場で主張し始めたのは悲しいことだ。マチルダのために、彼らの品位ある行動を望む」

 映画『ブロークバック・マウンテン(Brokeback Mountain)』で同性愛者のカウボーイを演じてアカデミー賞にノミネートされ、国際的スターの地位を築いたレジャーさんは1月22日、ニューヨーク(New York)の自宅で複数の処方薬を過剰に摂取したことが原因で事故死した。(c)AFP