【8月11日 AFP】フィリピン南部ミンダナオ(Mindanao)島で新作『I Come With The Rain』の撮影を終えた米俳優ジョシュ・ハートネット(Josh Hartnett、29)が、AFPのインタビューに答え、「無法地帯」とされるロケ地での思い出を語った。

 ハートネットは『I Come With The Rain』で、中国の富豪の後継ぎを追い香港やミンダナオ島を訪れる、元ロサンゼルス市警の警官を演じる。

 作品の撮影は、ミンダナオ島、Diwata山の麓の町モンカヨ(Monkayo)で行われた。Diwata山は20年以上前から金の採掘場として知られ、無認可の小規模な採掘坑が無数にある。

 モンカヨ一帯は凶悪犯罪者集団や共産主義の反政府勢力の拠点と噂されているため、ハートネットとそのスタッフには撮影中、フィリピン海軍の2大隊が警護についた。だがそうした噂よりも、「兵士に警備されているという事実に恐怖を感じた」とハートネットは語った。

 どころが、実際は兵士による警護は全く必要なく、兵士達の唯一の仕事は、撮影中に近づいてこようとするファンを抑えることだったという。

 ハートネットは撮影中、身の危険を感じたことは一度もなかったと話した。「ここにいると、まるで自宅にいるような気がする。皆がよくしてくれて、とても居心地がいいんだ。誰でも、この場所が好きになるよ。皆、とてもいい人たちなんだ」

「ハートネットはおおらかな人物だ」と話すのは、警護に当たった大隊のBrian Bagaipo大尉。「ビクビクしたりせず、スターとしてのコンプレックスを見せませんでした。何かをねだることもしませんでした」

 映画撮影に協力しているフィリピンの制作会社Production 56のJoann Banagaさんによると、同作品の撮影にあたり、最初、地元の制作会社4社が名乗りを上げたが、他の3社は治安上の問題のためモンカヨでの撮影を拒否したという。「わが社は、モンカヨ一帯を調査した結果、安全だと確認しました」と話した。

 ハートネットはこれまで『ブラックホーク・ダウン(Blackhawk Down)』、『シン・シティ(Sin City)』、『パール・ハーバー(Pearl Harbor)』などに出演している。(c)AFP