【8月8日 AFP】米国で最も有名なブロガーのひとり、ペレス・ヒルトン(Perez Hilton)は、ハリウッドセレブに関するゴシップを、連日自身のブログに掲載している。

■「ハリウッド・ゴシップ・ライター」の系譜

 自身を「全メディアの女王」と称するペレスの本名は、マリオ・アルマンド・ラヴァンデイラ(Mario Armando Lavandeira、29)。マイアミ(Miami)生まれのキューバ系米国人だ。

 彼は、伝統的な「ハリウッド・ゴシップ・ライター」の系譜に名を連ねる。ラジオ時代の名コメンテーター、ウォルター・ウィンチェル(Walter Winchell)、インターネット時代のネット・コラムニストのマット・ドルッジ(Matt Drudge)・・・。ブログ時代となった現在、その系譜はネット上の個人ブログを媒介にゴシップを発信するペレスへと受け継がれた。

■全米トップ10、1日に830万アクセスの日も

 彼のウェブサイト「ペレスヒルトン・ドットコム(Perezhilton.com)」には、セレブが赤面し、青ざめてしまうような数々の写真が掲載されている。各写真には、ペレスが書いた辛口のコメントまで添えられている。最も人気があるのは、メイクがすっかり崩れた状態でパーティに興じるセレブたちの姿を撮影したもの。ハリウッドの「不道徳な一面」を晒す写真や、隠された性癖を暴露するような写真も大人気だ。

 インターネット調査会社のデータによると、 「ペレスヒルトン・ドットコム」は人気エンターテインメント・ニュース・サイトの上位10位に入り、アクセス数は米国内で1日170万回、世界中で260万回に達するという。「先週は、1日のアクセス数が830万回に達した日もあった」とペレズ。

■広告費は1週間で107万円

 「ペレスヒルトン・ドットコム」がスタートしたのは2004年。彼は自身のブログを「アマチュア・ブログ」と呼んでいるが、広告料はアマチュアの域をはるかに超えている。ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙によると、同サイトに広告を一週間掲載するには最高9000ドル(約107万円)が必要。最も高額な広告パッケージは4万5000ドル(約536万円)にのぼるという。

 ブログの閲覧者の平均年齢は26歳。ファッション、アルコール飲料、エンターテイメントなどの業界にとって理想的な購買層の年齢であることから、この分野の広告掲載申し込みが殺到している。

 だが、こうした広告収入の大半は訴訟の支払いに消えていく。米経済誌フォーブス(Forbes)は、フォトエージェンシー「Hollywood X17」が、写真を無断掲載したとしてペレスを訴えたと報じている。

■多岐にわたる提供元
 
 彼がブログに掲載する情報の提供元は多岐にわたる。代理店、マネージャー、アシスタント、広報担当者、近所の人、親戚、セレブ、クラブやバーで知り合った人、バーテンダー、ウェイトレス、家政婦・・・。ペレスは、「僕はデブで、不細工で、おもしろくない奴だと言われてもかまわない。でもウソつきとは言わないでくれ」と語る。

「真剣に、一所懸命取り組んでいる。誤った情報は掲載したくない。広告で収入を得ているからね」

■「本家」パリスとご対面

 ペレスは、彼と‘名前がそっくりな’セレブ、パリス・ヒルトン(Paris Hilton)と会った際、拍子抜けしてしまったという。

「飲み物をかけられるとか、思い切り嫌われるんじゃないかと予想していた。でも、パリスには、そういうことを考える時間が無かったらしい。彼女は、『私の話があなたのサイトに掲載されているの。本当に笑えるわ。びっくりした』って話しかけてきたんだ。僕が予想していた反応とは大違いだった」(c)AFP

関連情報
  • ペレスヒルトン・ドットコム(英語)