【5月17日 AFP】スウェーデン南部マルメ(Malmo)で開催中の欧州国別対抗歌謡祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト(Eurovision Song Contest)」で16日、準決勝第2ラウンドが行われ、ギリシャの経済危機や同性婚支持など政治的テーマを扱った曲が決勝進出を決めた。

 同性婚活動家として知られるフィンランドの歌手クリスタ・シークフリーズ(Krista Siegfrids)さんは、レディー・ガガ(Lady Gaga)を彷彿(ほうふつ)させる楽曲「Marry Me(私と結婚して)」を歌い、決勝に残った。

 これにより18日の決勝では、ユーロビジョン史上初めて、舞台上で女性同士のキスが披露される可能性が浮上している。同性愛者の権利運動に厳しく対処してきた東欧諸国を中心に波紋を呼びそうだ。スウェーデンメディアによると既にギリシャやトルコの新聞は、準決勝第2ラウンドでシークフリーズさんが女性バックダンサーの1人とキスをしたことを批判的に報じているという。

 一方、ギリシャのバンド「コザ・モストラ(Koza Mostra)」の「Alcohol Is Free(酒は自由だ)」には、観客たちの気を紛らせる効果があるかもしれない。庶民とは無縁の高級ビーチのバーでの夜を歌ったアップテンポの曲だが、歌詞にはギリシャが直面する経済的苦境を訴える隠喩がちりばめられている。

 実はギリシャは当初、今年はユーロビジョン参加を見送ると発表していた。国営放送局「ERT」の財政難が理由だったが、民間放送局の支援を得て決勝進出までこぎつけた経緯がある。(c)AFP