【3月21日 AFP】英ロンドン(London)のヴィクトリア&アルバート博物館(Victoria and Albert MuseumV&A)は20日、館内で今週開催予定だった英グラインドコア・バンド「ナパーム・デス(Napalm Death)」のコンサートについて、「建物が崩れる恐れがある」との理由で中止せざるを得ないと発表した。

 激しい演奏が特徴のナパーム・デスは22日、V&A博物館の招待作家である陶芸家キース・ハリソン(Keith Harrison)氏とのコラボレーション企画として、同氏が制作した陶器製の彫刻作品の間で演奏を披露し、最後に音のパワーによって「彫刻を爆発させる」という内容のコンサートを予定していた。

 しかし博物館側によると、彫刻だけではなく、築150年の博物館の建物そのものも崩れ落ちてしまう可能性があることが分かったという。同博物館は声明で「非常に残念」としつつ、イベントの中止決定を発表。「本イベントは最近改修した欧州展示室で予定していたが、安全面の追加調査を行ったところ、コンサートの大音量によって歴史的建築物である本館が損壊する懸念が生じた」と説明している。

 コンサート中止決定についてナパーム・デス側は取材に応じていないが、リードボーカルのマーク・バーニー・グリーンウェイ(Mark "Barney" Greenway)氏は先に、同コンサートについて「音は武器だ」というコンセプトを追求したいとコメント。「音楽が持つ『騒音』という要素を甘く見てはいけない。クリッピングされた制作手法の枠を超えた面白いことが音楽によってできるんだということを、今回のV&Aのイベントで示したい」と語っていた。(c)AFP