【2月27日 AFP】国際レコード産業連盟(International Federation of the Phonographic IndustryIFPI)は26日、2012年の世界全体の音楽売り上げが1999年以来初めて前年比増に転じたと発表した。音楽産業がデジタル革命にようやく追いつきつつある現状を示している。

 世界約1400社のレコード会社が加盟している同連盟によると、2012年の世界音楽売り上げは前年比0.3%増の165億ドル(約1兆5000億円)だった。小幅ながら売り上げ増に転じたことは、衰亡に向かっていると思われながらインターネット上での著作権侵害と戦ってきた音楽業界はほとんど歌を歌い出したくなるほどの結果だろう。

 同連盟によれば、米アップル(Apple)のオンラインストア「iTunes Store」などのサイトでのデジタル音楽のダウンロード販売などが伸び、ようやくCD売り上げの減少分を埋め合わせることができる規模に成長した。その一方で、音楽の違法ダウンロードなど、ネット時代に適応するための大きなハードルは幾つか存在すると同連盟は述べている。

 同連盟の統計によると、2012年に世界で最も売れた楽曲はカナダ人歌手カーリー・レイ・ジェプセン(Carly Rae Jepsen)の「Call Me Maybe」。2位はゴティエ(Gotye)の「Somebody I Used To Know」、3位は韓国人歌手PSY(サイ)の「江南スタイル(Gangnam Style)」。アルバムの売り上げ1位は2年連続で英歌手アデル(Adele)の「21」が輝いた。(c)AFP