【11月24日 AFP】(図解追加)フレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)がこの世を去ってから、24日で20年を迎えた。しかし、マーキュリー自身、そしてマーキュリーがボーカルを務めたクイーン(Queen)の人気は衰えることはなく、死後20年が経過してもマーキュリーの星は輝きを放ち続けている。

 今年、結成40周年を迎えたクイーンは、世界でも有数の売上を誇るバンドで、その売上のほとんどがマーキュリーの死後に発生した。ギタリストのブライアン・メイ(Brian May)、ドラマーのロジャー・テイラー(Roger Taylor)はかつてないほど忙しく、「ボヘミアン・ラプソディ(Bohemian Rhapsody)」、「ドント・ストップ・ミー・ナウ(Don't Stop Me Now)」などの曲は、名作として歌い継がれている。

■衰えることのない影響力

 レディー・ガガ(Lady Gaga)、ロビー・ウィリアムズ(Robbie Williams)、フー・ファイターズ(Foo Fighters)、ミューズ(Muse)などのアーティストが影響を受けたミュージシャンとしてクイーンの名前を挙げるため、マーキュリーの人気は上昇するばかりだ。

 マーキュリーは1991年11月24日、ロンドン(London)の自宅で45歳で死去した。その数年前にHIVに感染し、死因はHIV感染がもたらした気管支肺炎だった。見る者の心を奪うマイクパフォーマンスや魅力的な声が特徴的で、「伝説のチャンピオン(We Are The Champions)」、「キラー・クイーン(Killer Queen)」、「愛という名の欲望(Crazy Little Thing Called Love)」などのヒット曲を生み出したマーキュリーを、人々が忘れることはない。

 2002年に初演を迎えたジュークボックス・ミュージカル「ウィ・ウィル・ロック・ユー(We Will Rock You)」は、現在もロンドンの劇場を満員にし、オーストラリア、南アフリカ、日本、欧州、ラスベガス(Las Vegas)など世界各地で上演されている。

 英俳優サシャ・バロン・コーエン(Sacha Baron Cohen)を主演に、マーキュリーにまつわる映画製作の話も進んでいる。圧倒的なパフォーマンスを見せた1985年のチャリティーコンサート「ライブエイド(Live Aid)」への出演にいたるまでの期間にスポットを当てるという。

 ブライアン・メイは、マーキュリーが生誕65年を迎えた9月、ブログにメッセージを掲載した。

「彼はいなくなってしまったが、彼の影響力は今まで以上に強まっている」

 マーキュリーは1991年11月23日、病床からエイズであることを認めた。それから24時間のうちに昏睡状態に陥り、永遠の眠りについた。治療はひそかに行い、苦痛を訴えることはなかったという。

 1987年のインタビューで、マーキュリーは裕福だが孤独な70歳になることを恐れてはいないと語った。

「人生を満喫してきた。明日死ぬとしても、全く構わない。すべてやり遂げてきたから」(c)AFP/Robin Millard