【10月18日 AFP】1999年にパリ(Paris)で撮影された故マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんの未公開ポートレート写真4点が15日、12月のオークションを前に報道陣に初公開された。フランスの写真家、アルノ・バニ(Arno Bani)氏の手によるもので、ジャクソンさんがイメージチェンジを狙って撮影したものだという。

 4点のポートレート写真は、それぞれ「青い目」「銀色の手」「赤いカーテン」「金色のケープ」というテーマで撮られた。バニ氏の作品を英国の新聞で見かけたジャクソンさん側から撮影依頼があったという。

 ジャクソンさんは4点のうち、メタリックの金色のケープに包まれたポートレート写真を2001年発表のアルバム「インヴィンシブル(Invincible)」のジャケットカバーに使用するつもりでいた。ほかの写真もイメージチェンジのために使う予定だったという。しかし、結局「インヴィンシブル」のジャケットにはジャクソンさんのモノクロ写真が使われ、これらのポートレート写真はお蔵入りとなっていた。

 ポートレート写真4点は、同時に撮られた中から厳選された写真55枚やコンタクトプリント31点とともに、12月13日にパリでオークションにかけられる。いずれも未公開作品で、22日に世界で一斉発売されるオークションカタログで初めて、一般の目に触れることになる。

■撮影で垣間見えたジャクソンさんの光と影

 撮影は、パリ近郊の倉庫に特別に設けられたスタジオで2日にわたって行われた。この臨時スタジオにはヘリポートが準備され、ジャクソンさんには防弾仕様の車も用意された。

「彼(ジャクソンさん)はわたしに全権を委任してくれた。髪を切って欲しいとの要求にさえ同意してくれたよ」と、バニ氏は当時を振り返る。「ほかのスターたちと違って、マイケル・ジャクソンはいつも見た目を自分自身でクリエートしていた」

 2日間の撮影で、バニ氏はジャクソンさんの悲しげな様子と、陽気な姿の両方を目撃したという。「メークアップの間、彼は鏡に映る自分の姿をじっと長い時間みつめていた。やがて誰かが彼を呼びに来る。照明の中に入ると彼は、再び『マイケル・ジャクソン』に変身するんだ」

 撮影後、バニ氏の元にジャクソンさんからメッセージが届いた。ジャクソンさんはできあがった写真を「大好きだ」と述べ、アルバムにこれらの写真が使われなかったことについて、とても残念だと語ったという。(c)AFP/Emma Charlton