【12月11日 AFP】英ロックバンド、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)が10日、ロンドン(London)で19年ぶりとなる一夜限りの再結成コンサートを開催した。

 ステージに立ったのは、ボーカルのロバート・プラント(Robert Plant)、ギターのジミー・ペイジ(Jimmy Page)、ベースのジョン・ポール・ジョーンズ(John Paul Jones)のオリジナルメンバー3人に、1980年に急死したドラマーのジョン・ボーナム(John Bonham)の息子ジェイソン(Jason Bonham)を加えた4人。

 会場となるO2アリーナ(O2 Arena)前に列を作ったファンたちは、過去のツアーで着用した色あせたTシャツを身につけ、開場前からビールを片手にお祭り騒ぎだった。米テネシー(Tennessee)州メンフィス(Memphis)から家族全員を連れてきたというリチャード・クーパー(Richard Cooper)さん(37)は、「今夜は最高。人生でたった一度の経験。さあ、パーティーだ」と顔を輝かせた。夫人と一緒にパリ(Paris)から来たというジャック・ハラル(Jacques Harrar)さん(49)は「これは、ものすごいイベントだ」と語った。

 今回のコンサートは、グループが契約していた米アトランティック・レコード(Atlantic Records)の創設者で、2006年に死去したアーメット・アーティガン(Ahmet Ertegun)氏を追悼する目的で行われた。当初は11月26日に予定されていたが、ペイジが左手の小指にけがをしたため、12月10日に延期された。

■「レッド・ツェッペリン」の由来

 1968年にヤードバーズ(The Yardbirds)の最後のメンバーとなったペイジが結成したツェッペリンは、ファンに追いかけられ、テレビによく出るロックバンドというものの第一人者となった。レッド・ツェッペリンという名前は、ザ・フー(The Who)のキース・ムーン(Keith Moon)が口にした軽い冗談「彼らは鉛の飛行船(lead Zeppelin)みたいに落下(=失敗)するだろう」に由来する。leadのaは、米国人のファンが発音を間違うかもしれないという理由で削除された。しかし、落下するという予想ははずれた。アルバム売上げは累計3億枚に上り、その音楽は今でもロック界で主要な位置を占めているのだ。

■今後も活動を継続か

 ジョン・ボーナムの死後、解散となったツェッペリンのファンたちは、二度とメンバーがひとつのステージに立つことはないだろうと思っていた。しかし9月、彼らは再結成コンサートを発表した。ジェネシスやポリスなどに続く再結成となったツェッペリンにファンは盛り上がり、2万枚のチケットに100万人が応募。当選者は抽選で選ばれた。

 米フロリダ(Florida)州から来たというパトリック・トロンブリー(Patrick Trombley)さんは、ツェッペリンの曲とともに育ったが、まだ幼かったので解散する前のグループは見たことがなかったという。「とても長い間、彼らを待ちわびていた」と語り、抽選に当たったときはとてもうれしかったと言う。

 解散後のオリジナルメンバー3人は、1985年にライブエイド(Live Aid)のステージに立ち、1988年にチャリティコンサートを行っている。しかしペイジは、これらのステージに参加したドラマーがツェッペリンの曲を知らず、リハーサルもほとんどなかったため、パフォーマンスは乱雑だったと語っていた。そして10日のコンサートはまったく違うものになると公言していた。

 今回のコンサートは一回限り。プラントは「最後で最大のショー」になると語っており、ツアーは行わないと主張している。しかしペイジとポール・ジョーンズは前週、今後の活動継続の可能性も示唆。活動の継続を望んでいないと伝えられるプラントも、「活動を続けるのは、そんなに悪いアイデアではない」と語ったという。(c)AFP/Michael Thurston