【10月23日 AFP】(一部更新)ポール・マッカートニー(Paul McCartney、65)が22日、パリ(Paris)のオリンピアホール(Olympia Hall)で、ビートルズ(The Beatles)の公演以来約40年振りのコンサートを行った。

 一夜限りのステージを前に、マッカートニーは取材陣のインタビューに答えた。

「戻ってこられてうれしいです。旅行でパリを訪れるたびに、オリンピアを見に来ていました」

 マッカートニーは「40年前はとても新鮮で楽しかった」と話し、1964年のビートルズのコンサートを回想。それに比べて今回は楽しいがそれほど新鮮みはないと語った。

 パリで最後にコンサートを開いたのは2004年というマッカートニーだが、1972年にウイングス(Wings)で行った公演以来、フランスの主要会場ではコンサートを行っていない。

■寒空のもと徹夜組が長蛇の列

 チケットは当日発売だったため、秋の凍える夜空の下、多くのファンが椅子や毛布を持参し、2000枚限定のチケットを入手するため前日から列を作った。

 現地時間22日午前11時に発売開始されたチケットの価格は55ユーロ(約9000円)と77ユーロ(約1万3000円)の2種類。

 ビートルズの曲「ブラックバード(Blackbird)」のギターソロから始まったステージでは、「ヘイ・ジュード(Hey Jude)」、「ゲット・バック(Get Back)」、「エリナー・リグビー(Eleanor Rigby)」などビートルズの楽曲が全24曲中の約半分を占めた。

 そのほかニューアルバム「追憶の彼方に(Memory Almost Full)」からも「Dance Tonight」や「Only Mama Knows」を披露。

 同アルバムは6月に発売されたが、最近のマッカートニーに対する関心はその音楽ではなく、別居中の妻ヘザー・ミルズ(Heather Mills)さんとの離婚問題に集まっている。

■移籍理由は「インターネットなど時代の変化」

 EMIからスターバックス(Starbucks)が手がけるレーベルHear Musicに移籍した理由についてマッカートニーは、インターネットの台頭で音楽業界が変わりつつあるなか、レコード会社はその変化についていけないと考えたためだと語った。スターバックスのスタッフがマッカートニーの音楽のために情熱的に取り組んでくれるのに対し、レコード会社の売り上げは伸び悩んでいるという。

 また、レディオヘッド(Radiohead)が打ち出した、好きな価格でアルバムをダウンロードできるという手法もおもしろいと語った。

 さらに、自身のソロ活動にビートルズが影を落としているかどうかはもはや気にならず、今は世界的なバンドのメンバーだったことを心から誇りに思っていると語った。(c)AFP/Paul Ricard