【2月25日 AFP】フランス版オスカーと呼ばれる第37回セザール(Cesars)賞授賞式が24日、パリ(Paris)で開催され、話題の無声映画『アーティスト(The Artist)』が作品賞など6冠に輝いた。

 トーキー映画の到来に苦悩するサイレント映画の大スターを描いた同作品は、ハリウッド(Hollywood)黄金時代へのトリビュートとされている。作品賞のほか、ミシェル・アザナヴィシウス(Michel Hazanavicius)監督が監督賞、アザナヴィシウス監督の妻で同作品に出演しているベレニス・ベジョ(Berenice Bejo)が主演女優賞を獲得。さらに、音楽賞、撮影賞、美術賞も受賞した。
 
 同作品は、ゴールデン・グローブ賞(Golden Globe Awards)、英国アカデミー賞(British Academy Film Awards)、スペインのゴヤ(Goya)賞などでも旋風を巻き起こしており、賞レースのクライマックスとなる26日のアカデミー賞(Academy Awards)では10部門にノミネートされている。

 同作品に主演し、アカデミー賞でも主演男優賞にノミネートされているジャン・デュジャルダン(Jean Dujardin)は、今回は受賞にはいたらなかった。

 その主演男優部門を制したのは『最強のふたり(Intouchables)』のオマール・シー(Omar Sy)。両手両足がまひしてしまった富豪の男性と黒人介護者を描いた心温まるこのコメディー映画で、シーは刑務所から出所したばかりで男の介護をすることになる皮肉屋な若者を演じている。37年の歴史がある同賞で、黒人俳優が受賞したのは初めて。(c)AFP/Emma Charlton