【2月28日 AFP】第83回アカデミー賞(Academy Awards)授賞式が27日、米ハリウッド(Hollywood)で開催され、『ブラック・スワン(Black Swan)』で苦悩するバレリーナを演じたナタリー・ポートマン(Natalie Portman、29)が主演女優賞を獲得した。

 同賞にはそのほか、 『キッズ・オールライト(The Kids Are All Right)』のアネット・ベニング(Annette Bening)、『ラビット・ホール(原題、Rabbit Hole)』のニコール・キッドマン(Nicole Kidman)、『ウィンターズ・ボーン(Winter's Bone)』のジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)、『ブルーバレンタイン(Blue Valentine)』のミシェル・ウィリアムズ(Michelle Williams)がノミネートされていた。

 ハーバード卒のポートマンは、「白鳥の湖」の主役の座と完ぺきな美を求めるあまり、狂気に飲み込まれるバレリーナを演じている。

 精神的に負担の大きい役作りは、セットの外でもポートマンの私生活に影響を与えたという。

「本当にこのまま死ぬんじゃないかと思った夜が何度かあった。役に入りすぎて自分を見失うという感覚を初めて体感した」(ポートマン)

 しかし、観客が何を期待しているかということについては、持って回った言い方はしない。「今までよく、どうやったら男の人にバレエ映画を見てもらえるの、どうやったら女の人にスリラー映画を見てもらえるの、と聞かれたけど。答えは(ミラ・クニスとの)レズビアンのシーンよ。誰だって見たいでしょう?」

 ポートマンは11歳のときに、ジャン・レノ(Jean Reno)が殺し屋を演じた『レオン(The Professional)』でデビュー。

 モラルに関しては頑固なまでにこだわりがあり、1997年の『ロリータ(Lolita)』のリメークは「下品」だという理由で出演を拒否。また、『ロミオ+ジュリエット』のオファーはレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)と年が離れすぎているとして断った。

 スーザン・サランドン(Susan Sarandon)と共演した『地上より何処かで(Anywhere But Here)』もヌードシーンがあったため一度は断ったが、サランドンの働きかけでヌードシーンが削除され、契約に至った。

 2000年のインタビューでは、「雑誌などで胸を見せたり、映画でセックスシンボルになることによって役を得ることよりも、わたしは私生活におけるプライバシーと安全を優先する」と語っている。

 ポートマンは『ブラック・スワン』で未来の夫、バンジャマン・ミルピエ(Benjamin Millepied)と出会い、現在妊娠中。映画でミルピエは、ポートマンにまったく魅力を感じないと却下しているが、実際は違ったようだ。

 ゴールデン・グローブ賞の会場でポートマンは、「あれは真実じゃないわ。彼は映画の中で一番演技がうまいの――ホントはわたしと寝たいと思ってたのよ」と冗談を飛ばした。(c)AFP