【2月23日 AFP】欧州の映画興行大手オデオン(Odeon)は22日、新作3D映画『アリス・イン・ワンダーランド(Alice In Wonderland)』のDVDリリースを通常より5週間早めることを検討しているディズニー(Disney)に抗議し、英国、アイルランド、イタリアでの同作品の劇場公開を中止する意向を明らかにした。

 ティム・バートン(Tim Burton)監督がメガホンを取った同作は、ジョニー・デップ(Johnny Depp)、アン・ハサウェイ(Anne Hathaway)、ヘレナ・ボナム・カーター(Helena Bonham Carter)などが出演するファン待望のファンタジーアドベンチャー。通常は劇場公開から17週間後のDVD発売となるが、ディズニーは同作については12週間後の発売を考えているという。

 ディズニーのこの考えに反旗を翻したのはオデオンだけではない。オランダの主要4館も抗議手段として映画上映を見送るとしている。

 オデオンとユナイテッド・シネマ・インターナショナル(UCI)は、3D映画技術の開発に多額の投資を行っているが、DVDの早期リリースというディズニーの考えがその努力を台無しにし、劇場公開から12週間後のDVDリリースを英国で一般的にしてしまうだろうと主張。さらに、映画館の入場者数が減少し、特に中小規模の映画館の存続が脅かされると訴えている。

 オデオンは、スペイン、ドイツ、ボルトガル、オーストリアではディズニーが従来の日程でのDVDリリースを考えていることから上映を行うという。

 オデオンは英国最大の映画興行グループで、国内に100館以上を構えている。

 英国では25日に同作品のワールドプレミアが行われ、3月5日から劇場公開が始まる。別の映画興行会社シネワールド(Cineworld)は、ディズニーとの契約が締結されれは劇場公開を行うとしている。(c)AFP