【1月21日 AFP】中国で、大ヒット映画『アバター(Avatar)』の2D版の上映が打ち切りになるとのニュースが流れ、中国のネットユーザーたちが激怒している。

 中国の人気検索サイト「百度(Baidu.com)」では、「アバターの上映は遅れていたのに、早くに打ち切りにするとはどういうことだ」との書き込みがあった。

 中国国内で映画を配給する国営映画会社・中国電影集団(China Film Group)は、ウェブサイトに、2D版の上映を打ち切るとの記事を掲載した。

 中国の映画検閲当局、中国電影事業管理局(China Film Bureau)のZhang Hongsen副局長は、3D版の映画チケットは飛ぶように売れているものの、2D版はあまり売り上げが良くなかったと述べる。「だから2D版を打ち切りにするのは、当たり前のこと。3D版とアイマックス(IMAX)版の『アバター』には変更はない」と語った。

 中国では3D映画上映館は国内700館のみで、全4600館の15%ほどしかない。

 これに対し、中国のネットユーザーは、当局が、チョウ・ユンファ(Chow Yun-fat)主演の愛国的な中国映画『孔子(Confucius)』が22日に封切られるのに備えて『アバター』を打ち切ったとして激怒している。

 「百度」には、「2D版『アバター』が旧正月(春節、2月14日)まで上映されていれば、ほかの中国映画は全部打ち切りになるだろう」との書き込みもみられた。

 また人気ポータルサイト「新浪網(sina.com)」では、こんな書き込みもあった。

「『孔子』を観に行こうと思っていたけど、この馬鹿げて恥知らずな舞台裏の対応をみせられたから、もう絶対に観に行かないことに決めた」

 中国電影事業管理局のZhou Baolinマーケティング部長は、『アバター』の打ち切りと『孔子』の封切りには何のつながりもないと述べている。(c)AFP