【12月16日 AFP】英ロンドン(London)で14日に華々しいワールドプレミアを迎えた新作映画『シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)』。翌日の英各紙には絶賛から酷評まで、さまざまな評価が見られた。

 ガイ・リッチー(Guy Ritchie)監督がメガホンを取った本作では、ロバート・ダウニー・Jr(Robert Downey Jr.)がホームズを、ジュード・ロウ(Jude Law)が相棒のジョン・ワトソン(John Watson)を演じている。
 
 英高級紙タイムズ(Times)は2人の演技を高く評価。ダウニーは「素晴らしい」演技で、リッチー監督は「ロウのキャリアで最高の演技」を引き出したと称賛したが、2人では「長すぎる映画」を支えることはできなかったと論じた。

 同じく高級紙ガーディアン(Guardian)はさらにストレートに評価。ダウニー演じるホームズはぎょろっとした目でわざとらしく、頭脳というよりきょろきょろする目を持った漫画のようであり、ロウは「最高級のやっつけ仕事」でただ単に「無表情」だったと指摘した。

 さらに同紙の矛先はリッチー監督にも向かい、目指したことの中で混乱したと評した。ホームズの薬物使用を消し去り、ホームズとワトソン、ワトソンと婚約者の関係を描くのに失敗したと厳しく評価している。

■「コンピューターを多用したアクション大作」

 そんなリッチー監督だが、14日に行われた記者会見では明確なビジョンがあったと主張した。子どもの頃からホームズのファンで、「シャーロック・ホームズがどんな人物であるべきかはっきりとしたビジョンがあった」と語った。

 好意的な意見も多い。大衆紙サン(Sun)は「大成功」と絶賛。ダウニーは、「グローブなしで闘う冷静なファイター、問題ばかり起こす酒飲み、そして魅力も兼ね備えた珍しいシャーロック」であり、ロウは意外にもタフガイを明確に演じきったと高く評価した。

 高級紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)も、「間違いなく陽気な娯楽作品でアクションものの超大作」と評価。「全体を通してペースが落ちることはほとんどなく、セットは強烈で音楽も容赦なく響き渡る。汚れた現実を描きながらも、コンピューターを多用してビクトリア朝時代のロンドンを蘇らせた」としている。

 本作は米国では25日から、日本では2010年3月12日に公開される。(c)AFP