【11月20日 AFP】マヤ暦に基づいた2012年の人類滅亡説をテーマにしたパニック・サスペンス映画『2012』が、インドネシアで論争を巻き起こしている。イスラム教聖職者らが19日、「イスラムに対する挑発だ」と激しく非難したためだ。

 北米で前週末、映画興行収入ランキングで初登場1位を獲得した同作品は、インドネシアの首都ジャカルタ(Thursday)でもチケットの売り切れが続出、映画館に行列ができる盛況ぶり。映画を見た人の多くは、2012年12月21日に地球が滅亡するというマヤ文明の暦にヒントを得た終末説をもとにした本作を楽しんだと話す。

 ところが、同国最高位のイスラム教団体であるイスラム聖職者協会(National Council of UlemaMUI)では、この映画に対する宗教的布告を発するかどうかで聖職者らが二分している。ある支部はすでに布告を発したが、目に見える効果はほとんどないようだ。

 同協会会長によると、イスラム教では人類滅亡について視覚化したり予測したりすべきではないとされていることが問題視されているという。映画で人類滅亡が描かれていることが、人びとの信仰を曲げる可能性があるというのだ。

 また、映画の中でモスクが破壊されるシーンがある一方、教会は破壊されていないことにも、難色を示している。もっとも、『2012』ではバチカン(Vatican)やブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のキリスト像などが崩壊する様子は描かれている。(c)AFP