【3月1日 AFP】第81回アカデミー賞(Academy Awards)で8冠に輝いた映画『スラムドッグ$ミリオネア(Slumdog Millionaire)』に子役として出演し、米ロサンゼルス(Los Angeles)での授賞式にも出席したアズハルディン・モハメド・イスマイル(Azharuddin Mohammed Ismail)くん(10)が、帰国後父親に平手でたたかれていたことが明らかになった。28日、インドの通信社PTI(Press Trust of India)が伝えた。

 26日に自宅に戻ったモハマドくんには取材が殺到しているが、長距離フライトと時差ぼけで疲れていたために、父親がジャーナリストに約束していたインタビューをせずに眠りたいと言ったため、父親にたたかれたという。

「僕が悪かったんです。とても疲れていたのでインタビューは嫌だと言ったら、お父さんにたたかれたんです。でもお父さんは僕を愛してくれています」(アズハルディンくん)

 結核に苦しみながらもダンボールを売って生計を立てているアズハルディンくんの父親、モハメド・イスマイル(Mohammed Ismial)さんはPTIに対し、「息子はとても疲れていて、インタビューにもうんざりしていたようです。しかし、私はあるジャーナリストに(インタビューをさせることを)約束していたので、息子がインタビューを嫌がったときに、そのジャーナリストに申し訳ないと思ったのです。それで思わずたたいてしまいました。今では反省しています」と語った。

■映画の成功後もスラム街で暮らす

 アズハルディンくんは、主人公ジャマル(Jamal)の兄、サリーム(Salim)の子ども時代を演じた。ジャマルが想いを寄せるヒロイン、ラティカ(Latika)の子ども時代を演じたルビーナ・アリ(Rubina Ali)さんと共に2人は出演作の成功で大きな名声を得た。しかし、2人は今でもムンバイ(Mumbai)の人口の半数が暮らすスラム街で暮らしている。

 ルビーナさんの家庭も平穏ではない。ルビーナさんは父親と継母と一緒に暮らしているが、実の母と継母が彼女の養育権を争っている。

 アズハルディンくんとルビーナさんは貧困家庭の子どもたちのための、英語で教育する中学校に通っている。2人が18歳になるまで奨学金を支給する信託基金が設立されており、2人はすでに毎月給付を受けている。(c)AFP