【8月28日 AFP】第65回ヴェネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)が27日に開幕し、オープニング作品として上映された『Burn After Reading』のレッドカーペットには、ハリウッドのスター、ジョージ・クルーニー(George Clooney)やブラッド・ピット(Brad Pitt)、メガホンを取ったジョエル・コーエン(Joel Coen)とイーサン・コーエン(Ethan Coen)の兄弟らが登場し、開幕に華を添えた。

『Burn After Reading』は、『ノーカントリー(No Country for Old Men)』でアカデミー賞を獲得したコーエン兄弟による最新作で、今映画祭ではコンペ外部門に出品されている。

 出演者はクルーニーやピットのほかに、ジョン・マルコヴィッチ(John Malkovich)、ティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)、フランシス・マクドーマンド(Frances McDormand)など。ジムで働く2人のスタッフが引退したCIAエージェントの回顧録を偶然発見し、整形手術の費用のために売ろうとするというストーリーだ。

 クルーニーとコーエン兄弟にとってこの作品は、『オー・ブラザー!(O Brother Where Art Thou?)』と『ディボース・ショウ(Intolerable Cruelty)』に続く、「おばか三部作」の完結編になる。

 記者会見でジョエル・コーエン監督が、この出演者たちのために作品を作ったのだと語ると、クルーニーは「私たちのためにこの脚本を書いたのか! 内容を見ると、君たちが僕たちのことをどう考えているのかとても不安になるよ」と冗談を飛ばした。作品の中で、鈍感なジムのトレーナーを演じているピットも、「この役が僕のために書かれたと知ったとき、自分が褒められているのか、侮辱されているのかわからなかった」と語った。

■審査委員長はベテランのヴェンダース監督

 今回審査委員長を務めるドイツのヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders)監督は、「我々の判断はいかなる国家主義的な感情などで偏ることはない」と、公平な審査を誓っている。

 審査員を務める香港(Hong Kong)のジョニー・トー(Johnnie To)監督は、「10日間で20本の作品を見たのは遠い昔だ。映画と夢を混同しないようにしなければならない。私にとって良い作品は、皆にとっても良い作品だ」と語った。

 そのほか、イタリア人女優ヴァレリア・ゴリノ(Valeria Golino)とアルゼンチンのLucrecia Martel監督も審査員として参加している。(c)AFP