【7月29日 AFP】スペイン語圏で最も権威ある映画祭、サン・セバスチャン国際映画祭(San Sebastian Film Festival)の主催者は24日、第56回同映画祭の出品作の一部を発表。日本からは是枝裕和(Hirokazu Kore-eda)監督の『歩いても 歩いても』が出品される。

 9月18日から27日まで開催されるサン・セバスチャン国際映画祭では、国際的な評価を受けている各国の監督の作品が、最高賞である「ゴールデン・シェル(Golden Shell)」賞を競い合う。2007年のゴールデン・シェル賞は、香港出身のウェイン・ワン(Wayne Wang)監督作『A Thousand Years of Good Prayers』が受賞した。

『マイティ・ハート/愛と絆(A Mighty Heart)』を手掛けたマイケル・ウィンターボトム(Michael Winterbottom)監督の『Genova』も今回の出品作の1つ。ウィンターボトム監督にとって、この映画祭への出品は2004年の『9 Songs ナイン・ソングス(9 Songs)』、2005年の『トリストラム・シャンディの生涯と意見(A Cock and Bull Story)』に続いて今回が3度目。『Genova』は、妻が死んだあと2人の娘と一緒にイタリアに移り住む、コリン・ファース(Colin Firth)演じる男が主人公。撮影の大半がイタリアのジェノバ(Genova)で行われた。

 そのほか、スペインのハビエル・フェセル(Javier Fesser)監督の長編3作目となる『Camino』や、カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で2度の審査員賞受賞経験を持つサミラ・マフマルバフ(Samira Makhmalbaf)監督の『Two-Legged Horse』も出品される。

 マフマルバフ監督は、『Buddha Collapsed Out of Shame』で第55回サン・セバスチャン国際映画祭の審査員特別賞を獲得したハナ・マフマルバフ(Hana Makhmalbaf)の姉にあたる。父親のモフセン・マフマルバフ(Mohsen Makhmalbaf)も映画監督で、今作では脚本を書いている。

 複数の映画祭で受賞歴があるトルコのイエスィム・ウスタオウル(Yesim Ustaoglu)監督や、長編デビューとなったスペインのBelen Macias監督の作品も参加する。

 6月に発表された出品作は、アルゼンチンのダニエル・ブルマン(Daniel Burman)、フランスのクリストフ・オノレ(Christophe Honore)、韓国のキム・ギドク(Kim Ki-duk)、パレスチナのRashid Masharawi、スペインのハイメ・ ロサレス(Jaime Rosales)、2008年サンダンス映画祭(2008 Sundance Film Festival)で審査員賞を受賞した米国のコートニー・ハント(Courtney Hunt)、デンマークのクリスチャン・レヴリング(Kristian Levring)の7作品。

 同映画祭ではそのほか、戦後日本のフィルムノワールや、93歳になるイタリアの映画監督マリオ・モニチェリ(Mario Monicelli)のコメディ作品の回顧展が開かれる。(c)AFP